昨日のブログに
たんぽぽさん よりコメントいただきました。
「やっぱり・・メールや自分のコトバで伝えきれなかった事は手紙のほうが伝わるんですかね・・・。
いつも身近にいながら伝えきれないというか・・伝わらなくて(_ _。)」
手紙の効用。
手紙が今の時代に持つ「意味」は
「心をむける」ことと「時間(手間)」だと思います。
メール。
それこそ毎日何通ものメールを書き、もらい、周囲を飛び交っています。
何の特別な感じもない。
電話も手軽。
そんな中で
便箋と封筒のチョイスから始まり
どんな筆記用具を使うかを決め
字も間違ってはいやですから辞書など片手に
さあ、と背筋を伸ばす。
どのくらいの大きさの字を書くのか?
どういう字の形を使うか。
字と字の間隔は?行間は空きすぎてない?などなど…
すべてが自分の感覚と、それを表現する体の裁量ひとつ。
源氏物語で
文を書く紙を選ぶちょっとした表現があったのを
思い出しますが
ああいったところはとてもワクワクと読んだものでした。
香をたきしめ、紙に移り香をしのばせ、相手に送る。
「想いを伝える」ために、なんといろいろな世界を
創造できることだろう、と思ったものです。
ですからたんぽぽさん。
手紙でつたわるのは
その、書き手が選んで書いた言葉通りの思い。
プラス
その、「一つの手紙を完成させる」というプロセスに書き手が込めた
「時間」と「手間」。「創意工夫」。
そこから相手が受け取るのは
「あなたのことがとっても大切です」
「あなたはわたしにとって特別です」
というかけがえのないメッセージ、なのではないかと思います。
それこそが最も伝わるもの。
手紙が持つ意味、なのだと思います。
余談ですが
ほかにも、手紙には書き手の「センス」
(あり方)が出てしまうのが怖いところですが。
今まで私が出会った中で
いつも風が吹くように、流れるように文字をスラリと書き流し
どんなサイズの紙にも、まるでデザインしたかのようにピタッとかっこよく文字をあてはめ
紙面を構成してしまう二人の知人は
どちらも
仕事の能力ぴか一
人間としてもさいこ~。
バランス感覚に優れた
男も惚れる、女も惚れる、カッコいい生き方をしている二人でした。
一人は男性。もう一人は女性。
その書く文字の通りに、停滞することなく、よどむことなく
いつもさわやかな風をまとって歩く二人でした。
懐かしい。
せめて月一は
体を使って手紙を書こう
大切な人へ送るとっておきの手紙を書こう
と昨日書きましたが
こう書いてみると、「手紙」ひとつとっても、それをいかに仕上げるかに全身全霊、
創意工夫をこらすことで
鍛えられ、磨かれる能力や感覚は多いものだろうなと感じます。
手紙一つを仕上げるということは
「その世界」を五感総動員で「演出」する、ということですからね。