春を寿ぐ

立春もすぎ
心身ともに起動してきた感じがしています。
やっぱり日本人は立春からだな~と、なんとなく。

さて
先月、誕生日だったのですが
クライアントさんからプレゼントをいただきました。
ブックカバー。
襖に使う紗紙を使ったものだそう。
持っている文庫本の中で、一番大切にしているものに付けてみました。

「使い込むうちに
手なじみがよくなっていく過程をお愉しみください。
古くなってからは、紙を軽く揉んで書包みすると
紗紙独特の風合いが生まれます」

本当に!
肌触りがよくて、持ちやすい。
持っていて手が喜ぶ感触。
落ち着いた色の市松模様です。
なんだか、早春の野山を見ているよう。
筍が頭を出し始めたころの野山の色合い、といった感じでしょうか。
目にやさしい。
「彩り市松栗文(りつもん)」とあります。

「古代より世界中で存在し、最も古い柄のひとつとして知られます。
日本では家紋や正倉院の名物裂などで多く見られる柄です。
森羅万象を司る相対する陰陽を表しており、
市松模様のような終わりなく続いていく柄は、永続、途切れぬご縁を示す吉兆柄です」

永続、
途切れぬご縁を示す吉兆柄。
吉兆柄…(嬉!)
市松模様はよく見ますが、恥ずかしながら今回その意味を初めて知りました。

幸せだなあ、としみじみ。
そのような思いをさりげなく意匠に込めてくださる存在とつながっているという喜び。

時間は動き
人も自然も様々なものは変化してゆくわけですが
昔の人はだからこそ
きっと言葉や模様や、そんないろいろなものに
「続いていくこと」への憧憬や祈り、思いをこめたんだろうなあと
そう思いました。

冬を経て
ふと空を見れば
昨日より今日、今日よりあした。
膨らみを少しづつ増す軒先の桜のつぼみ。
道すがらの満開の紅梅。
毎年繰り返される春の営みに、今年もまた出会える喜び。
春は「続いてゆく命」の息吹を肌で感じて
その輪の中に生きている自分の命を寿ぐ季節なのかもしれません。
なんだかとても感動しているわりに
まとまりませんが^^

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