今日もクライアントさんのお話です。
この方は、物を作る方なので
最先端の技術の展示会によく行かれます。
そのお話を聞くのがいつもとても楽しいのです。
今日のお話は
「ロボット展」。
介護用ロボットから何からありとあらゆるロボットが展示されているのだそう。
以下、聞いたお話列挙。
災害救難用ロボットは、今や人型。ペアになってトンネル事故から人を救う。
(話を聞いて、赤と青のペアロボットの健気さに感動)
「役に立たないものをつくる!」がポリシーで
ファッションとしてロボットを身にまとう「ロボティクスファッションクリエイター」を名乗る
若い女の子。
「ドクター」と異名を持つ世界一の天才ライダーを超えることを目指す
ヤマハの「バイクに乗るロボット」。
重心もちゃんと自分で変えて、今や100キロ超くらいの速度で
バイクを運転するらしい。なんとすごい…。
(MOTOBOTという名前でしたっけ)
ものをつくる世界の人って、純粋だなあ~というのが
いつもこの方のお話を聞いていて思うこと。
直接的に何かの役に立たなくても。
「非効率」かもしれないけれど。
「あったらいいな」「楽しいかも」「とにかくそれをしたい」
という…そんな自分の「想いを無心に追いかける」エネルギー。
それがいつしか
「新しい視点のすごいもの」を生み出す入り口になったり土壌になったりする。
ひとつのモノにはひとつの感動のストーリーがある、
といつもそう思いますし
どうせなら、そんな、人の思いを凝縮した「ストーリー」のあるモノと関わりたい、
(自分の身近に置くものにしても)
と、いつも思ってしまいます。
そして、とにかくとても元気が出ます。
今日とくに心に残ったのは、そんなたくさんの
「ロボット展」のお話の中で
「マツコロイド」を企画したプロデューサーさんとボーカロイド、初音ミク開発者の
対談。
マツコロイド、はじめは会話の機能までを作ろうとしたのだけれど
やるごとに「これは、すごい領域に足を踏み入れることになる」
と気づき、やめたのだ、とプロデューサーさん。
そして、
物まね芸人の「ホリ」さんに声をお願いした、と。
ホリさんによって完成したマツコロイドを通して
結果、ホリさんがどれだけすごいことをしているのか…
人がわからないところまでどんなに工夫をしているのかを実感することとなったと。
最終的には「人間ってすごい」に行き着いた、と。
(2015国際ロボット展、対談の様子をこちらのサイトからお借りしてきました)
声の波形に感情は出ないそうで。
機械には出ない、計測できない。再現できない。
人が人たる所以は、その、計測できない世界の技にこそある、ということなのでしょう。
「ロボットを作る、ということは人間そのものを見返すってことなになるんですね~」
「やればやろうとするほど、きっと結果的に人間のすごさが見えてくるんでしょうね」
とクライアントさんと。
人と同じように
歩く、走る、話す、支える、持つ、歌う…ロボットを作る、ということを通して、結果として
人というものの精妙さをまざまざと見せつけられる。
神のつくりたもうた巧緻な世界を垣間見る。
「そういう方々って、ある瞬間、とても敬虔な気持ちになったりして…神を感じるといいますか」
「ああ、なるほど」
極めて極めて、そしてその先に。
どうしようもない、絶対に人の手では作り出せない世界に(そこはきっと美しい)触れ、震え
首を垂れる。
その絶対的な世界に畏敬の念を抱きつつ
それでもまた、その世界に近づこうとコツコツと歩き続ける。
そうせずにはいられない
たくさんの人たちがいる。
それは決して、「不遜」ということではないのでしょうね。
そして、そんな方々の思いと力がわたしたちの暮らしや、未来や夢や願いを支えている。
そんな話を聞いていると
また違う意味で「人ってすごい」と思います。
そして、深い感謝の気持ちをささげたくなります。
同時に「絶対に踏み入れられない領域」のある、この美しい世界で生きていることの
幸せや不思議、切なさもとても味わっている自分を感じます。
単純に言うと
この世界に生まれてきてよかったなあ、人として生をもらえてよかったなあ、
という感じでしょうか。
話は飛びますが
ボーカロイド、結構好きでして。
最近お気に入りの曲を最後に。
※「ココロ」
自分を作った科学者が死の間際まで自分に作ろうとした「ココロ」とは何か??
それを知りたいと願い続けたロボットのおはなし。
(初音ミクではなく、これは鏡音リンちゃん)