人は繋がりがあれば生き生きとしていられるし、自分に対しても周りに対しても「無体なこと」はしないと思う

 

 

 

 

知人の実家のお墓は、お父様がたくさんの想いを込めて作ったお墓なのだそうで、
それは坂を登った小高い丘の上にあるんだそう。

 

で。
そのお父様が数年前に他界され、
きょうだいでこれからの家のこと、
お墓のことを話しあうこととなったこのお盆。

 

 

「お墓をしまって平地の納骨堂に」

 

 

という意見が出たのは、
お墓をこれから次に繋いでいく可能性の高い
きょうだいの一人から。

 

「お墓を見る負担を子どもたちに残したくないから」

 

と。

 

 

 

 

ああ、そうだなあ〜、
と思いつつ、
どうも一抹の寂しさを感じ、なんともいえない氣持ちを感じ。
で、口にしてみたのです。
(繊細な内容ですんで、どきどきしながら)

 

 

「それを即、『負担』と捉えるということが…。
なんと言いますか、
長い長い時代の流れってものがあったんですもんねえ。
そういう時間をわたしたちは過ごしてきた(来てしまった)んですねえ」

 

 

 

 

知人も、わたしと同じような感慨を抱いていたようで。
けれど、知人は家を出てしまっているので「負担」と言われると
確かに、と。
で、自身の思いをどう伝えよう…と。

 

 

 

 

もうね。
頭の中が飛躍してしまって、
縄文時代みたいに「お墓は集落の中心」にあったらいいのに、
なんて思いましたよ。

 

お墓を中心に家が周囲に立っている。
死は隔絶されたものではなく、軽く「地続き」な感覚。

 

 

 

話が飛びますが、
少し前の番組「ファミリーヒストリー」で、
草刈正雄が父方のルーツを探す、という回がありました。

自分のルーツの片方が完全にない、わからない、
断ち切られている、
繋がっていない、
という感覚は草刈さんにとって、
(いえ、誰にとってもでしょうが)
本当にきついことであったと想像するのです。

 

 

自分を捨てた父親への言葉にできない思いと、
それでも、叔母やいとこがいた、という喜び。
父親の幼少期や育った環境が明かされていく
=自身の「源流」が初めて明かされ、繋がっていくという
そのプロセスが映し出されていました。

 

 

 

 

 

人にはつながりが必要です。
横のつながり(今生きている人たちとのつながり)はもちろん、
縦のつながりも。
時を超えた、立体的なつながり。

 

 

わたしたちは、全方位、360度、繋がって生きている。
生きている人。今はここにいない人。
形あるもの、ないもの、全て。

 

遺伝子を受け継ぎ、
たくさんの人たちの「思い」「願い」をもらい、受け継ぎ、
今、わたしたちはここにいる。

 

 

 

そして、その「つながり」へ思いを致す力が強いほど、
「無体なこと」はしない。できないものなのです。

山なんて崩せない。
海も川も汚せない。
なんで大木を切るんや!
そこの緑をなんで潰すんや!
と。

 

 

そう考え出すと、もう、他にもたくさん…
大切なもの、大好きなものががありすぎて。
(形あるものはもちろん、知識や伝統風習含め)

そういう感覚で世界を見ると、
自分を生かしてくれている、
支えてくれている、
エネルギーをくれる、
「宝」に囲まれまくって自分が生きていることに氣づきます。

 

そしてこう思う。

この繋がりの先端で今という時代を生きている自分自身も、
すごく大切なんだ、と。
存分に生きよう、と。

 

 

 

 

話が大きくなりましたが、
お墓って、そういうものの一つではないかな、
とわたし自身は思います。
自分自身の確認の場。
つながりを確かめ、実感する場だったりありがとう、と感じる場。

 

 

 

 

そして、子どもたちって「負担」と思うかな?

思う子もいるだろうし、

思わない子もいるんじゃないかな、

とも思うのです。

特に、これからの世代。

(親が「負担だ」と決めなくてもですね)

 

 

 

 

さて、
わたしたちは、これからどこへ行こうとしているのか。

 

 

 

今回の「お墓について」なんですが、正直、
「教育、間違ったんじゃないの⁉︎」
と思いました。

 

 

知人のお家がどうこう、と言っているのではなく。
長い長い間の「日本人」全体のことです。
この160年だか、戦後80年だかのことです。
大きな、この国の「流れ」のことです。

 

 

 

一体わたしたちは、何を捨ててきたのか。
何を受け取ってきたのか。

そして、次代に何を手渡そうとしているんでしょう、と改めて考えたこのお盆です。

 

(写真は先ほど行ってきた神社の大木です。苔がいい感じでした)

 

 

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