「楽しくないとこの先には行けない」

クライアントさんに

自転車に乗っていらっしゃる(をやっていらっしゃる、と表現したほうがいいのでしょうか)

方がいらっしゃいます。

とても長い距離を走るのです。

その「競技」のお話を聞くのは、それはそれは楽しくて興味深い。

自前ですべて現地調達しながら(雨具ですとかその他必要なものを)

夜も黙々と走るお話とか

走りながら眠くなって側溝にす~っと落ちていく人の話ですとか

頑張りすぎて、競技終了後、横隔膜が下がってこなくなってしまい

とっても「ヤバい状態」になったお話ですとか。

(横隔膜って、そんなことにもなるのですね!初めて知りました)

さて

その方は、また数百キロをを走る大会にお出になるそうなんですが

その先には、フランスである大会を目指していらっしゃいます。

で、おっしゃったのです。

「楽しくないと、この先には行けない」。

その方は、ず~っと、頑張ってこられたのです。

速さを追及し、自らを追い込み、困難な状況に挑み

それを乗り越えることに価値を置いてこられたのかもしれません。

ほんとうに、頑張ってこられた。

それがいつの頃からか

景色を楽しみ、人と出会い、ともに旅するその過程を、出会いそのものを

お話しくださるようになりました。

先日はちょっと遠い県外の海に走りに行かれたとかで

「イルカは見られませんでしたが…」

の言葉とともに

そこでの出会いのあれこれをメールで送ってきてくださいました。

なんだか、とにかく楽しそうな感じが伝わってくるのです。

まるで小さなこともが見るもの出会うものすべてに目をキラキラさせているような

そんなリズムが伝わってくる。

「楽しくないと、この先には行けない」

「頑張る」ことでたどり着ける世界。

「足りないもの」を追いかけ、自らを矯正し、補い、抜きんで、獲得するやりかた

と言い換えてもいいのでしょうか。

これまで、わたしたちも、わたしたちの親も、そのまた親も、その道をそれこそ

「頑張って」たどってきたのかもしれません。

そしてもちろんたくさんのものを得てきた。

でも、この方は

気づいてしまったのです。

それによって行ける場所には限界があることを。

(そこに至る、この方の長い「旅」のプロセスに、心からの慈しみと拍手、そして敬意を表したいと思うのです)

さて

これから先、どんな「旅」のお話がこの方から聞かせていただけるのか

本当に楽しみでなりません。

「武将のキモチ」

最近友人と
和系のダンスの練習をはじめたのですが
一段落つくと
お茶を楽しむのが恒例になりました。

友人持参のお茶のセットでお茶をたてます。
せっかくなので
お互いに向かい合って正座などしていただきます。

なんの作法もない気楽な時間なのですが
このちょっとした時間が
最近とても気に入っている自分がいます。
なんともいえない幸せを感じます。

一口の白湯の味までが
味がなんだか違うのですよね。
一滴を大切に味わわないと
もったいない気がする。

ひとかけの黒砂糖のなんと細胞に染み渡ることか。

この時間だけはエアコンも消して
外の鳥の声を聴きます。

いろいろなものごとから
いい意味で隔絶された感じがあります。

言葉にするなら
「足るを知る」
という感じでしょうか。
今、目の前に見える景色、聴こえる音
感じている感覚だけで
すべてが満ち足りて完結している感じ。

いろんなもの
感情
小さな気がかり
たくさんの情報から解放されて
自分が戻ってくる感じがします。


戦国武将たちが
茶の湯に親しんでいたキモチが
なんだかわかる気がするよね~


自分たちのささやかな時間を
すごい人たちと比べながら
今日もよき時間が過ぎました。

Android携帯からの投稿

「開花」

ホームページの作り変えを進めているのですが

そのためもあって

あらためて以前受けた

「最高のプロフィール講座」の

十数ページにおよぶ「自分について」書き記す冊子を開いています。

その中に「尊敬する人は?」という項目があって

すっと浮かばなかったのですが

この数日を経て

わたしのクライアントさんたちみなさん、わたしにとって「尊敬する人」だなあという思いを

新たにしています。

それは

わたしにとってみなさんが「自らの旅」の途中で

自分の持って生まれた本質を見事に開花させ、その美しさで、輝きで、存在感で

周りに大きな影響を与えるというプロセスを

たどっている方々だからです。

みな、果敢に、勇気をもって、その道を歩んでいらっしゃる。

そりゃあ、平たんなみちばかりではなく、たまには茨の道であったりも

するときもあるのかもしれないのですが。

何より、旅を楽しみ、自分自身を愛し、慈しみながら進むことをなさっている。

先週末

そんなおひとりにお誘いを受け、バレエの公演を見に行きました。

今回の公演で、その方はソロを踊られるということでした。

その方のソロパート、すばらしいものでした。

1500人が取り囲む舞台上。

少しだけあごをくいっと上に向けて

優雅な足取りで現れたその方は細い首をまっすぐに立てて、微笑みを浮かべています。

その踊りのなんとチャーミングなことか。

自信に満ちていて高貴、そして軽やかでとても楽しい。

舞台上の楽しさと躍動感が客席にぱあっと伝わってきます。

キャラクターと曲の雰囲気を余すところなく体現した踊りでした。

不覚にも涙がこぼれてしまいました。

この方と出会ってから3年ほどでしょうか。

わたしは、この方が今回の公演で選ばれてソロパートを踊ることになった訳を知っていました。

いえ、もちろんわたし一人の思いなのですが。

たいそうな練習を積み重ねてこられたからなのですけれども

でも、それだけではない。

中村公子のコーチングna日々♪

この方がずっと、自分の中を見つめ、自分と語らいながら

あるときは余分なものを手放しながら

自分の中の宝を再発見し

「自分の軸」を確立してきた

プロセスをわたしは知っていました。

「自分とは何者なのか」

「自分らしくあるとはどういうことか」

「自分はどうありたいのか」

「何がしたいのか」

そこと再びつながる道が強まるにつれて

この方はますます輝きをましていったように思います。

仕事でも、独自の企画を立ち上げ、形にしつつあるこの方。

その体から発せられる静かな自信。喜び。生き生きとした充実感。

「ソロを踊るんです」

との言葉を聞いたときとても順当な気がしました。

今のこの方が発する「もの」に、一流のアーティストである先生方が

気づかないはずはない、と。

2階席の隅々にまで優雅な視線を送って

それから手を胸の前において深く腰を折り、片膝をついた彼女。

長いまつげを伏せ、ゆっくりと深くこうべを垂れました。

ほんとうにほんとうに美しかった。

終演後

舞台裏にお邪魔して

「素敵でした」

とハグをした、その彼女のあまりの細さ。

数週間前にあった時よりもさらにさらに細くなっていました。

客席を巻き込んだあの存在感が、この細い小さな体から発せられていたなんて。

到底信じられないくらいの華奢な体でした。

この方が、この瞬間にどれだけの持てるものを注ぎ込んできたのかを感じた気がしました。

人が

「その本質」を余すところなく表現し、輝かせるとき

自分であることの喜びをただ歌い上げるとき

その細胞からはこんなにもすごいパワーが生まれるものなのか。

こんなにも大きな影響を人に与えることができるものなのか。

細い肩をきゅっと抱きしめながら

たくさんの気持ちがあふれてきて

「よかった。よかった」と

ただ繰り返すしか能のないわたしなのでした。

「冬が来た!~変化のサイクル」

節分を過ぎ

心身ともにすっきりとしてきた感じがしている今日この頃。

「日本人はやっぱり節分を境に新しいスタートよ~」

などとつぶやきながら心地よい寒気の中を動き回っています。

中村公子のコーチングna日々♪

冬は大好きな季節です。

よく思い出すのはこの詩。

「冬が来た

きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になつた
 
きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
 
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
 
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た」

数年前

NLPのある講座で「変化のサイクル」というものを知りました。

自然界の摂理・動植物・人・組織・または出来事、ある関係性などなど…

およそ、この世にあるすべてのものがたどる

変化のプロセス。

創造

 ↓

成長

 ↓

成熟・複雑系

 ↓

動乱

 ↓

カオス(危機)

 ↓

ドロップ・オフ(手放す)

 ↓

休眠

 ↓

創造

成熟し、紅葉した葉をすべておしげもなく手放し

来たるべき春にむけて

吹きすさぶ寒気の中にただ立ちつくし「休眠」の時を過ごす木々のように

無駄なものをそぎ落とし

自分を研ぎ澄ますのに

この冬という季節はとてもあっている気がします。

息もつかせぬ寒風の中

凍りつく星空の下

冬は容赦なく、その鋭い刃物をつきつけるような強さで問いかけてくる気がします。

「お前は、何者なのだ?」と。

肥沃な土地に深くおろした自分の根を久しぶりに振り返り

そこから静かに滋養を得つつ

その根から育ち、今ここにいる自分の咲かすべき花について

あらためて思いめぐらす

節分なのでした。

アーカイブ
Copyright © Communication Works All Rights Reserved.