キーワードは自立と健全な相互依存ー社交ダンスに見る創造的な会話のための要素

 

 

 

 

 

社交ダンスを結構長いことやっています。

唐突に、無性に、小さい頃踊るのが好きだったことを思い出して、
よし!何か始めよう!といくつかダンスの体験に行きました。
(ジャズダンスとか)

一番性にあったのが社交ダンスで、「とてもゆるい趣味」の範疇で
休み休み続けつつ、今に至っています。

社交ダンスは二人で踊ります。
男性をリーダー、女性をパートナーと呼びます。

基本、すべての動きはリーダーである男性からの「きっかけ」で始まります。
フロアでの踊りの方向など、全体を見て、舵をとるのも男性の役割です。
なので、男性は女性の三倍練習が必要、と言われます。

わたしは「待てない」「自分でやりたがる」性格なもので、
いつもリーダーからのきっかけを待たずに動いてしまい、

「まだ何もやってません」
「一人で勝手に動かない」

とリーダー(わたしの場合は先生です)から叱られるタイプで、
そのあたり、
ダンス=性格矯正の場、とわたしが呼んでいるゆえんです。

で。
リーダーのリードが上手いと、
女性は初心者でも、ある程度「いい感じにカッコよく踊っている二人」に見えます。
女性は、自分がとても上手に踊れているような氣分になる。
完全に勘違いします(笑)

リーダーの絶妙な「合いの手」の力を借りてくるっと回転する。
道筋を外れそうになるとその前にリーダーがさっと引き戻してくれる。

決めのポーズも、
リーダーの身体能力のおかげで、まるで自分で決めたみたいに
「スパん!」とかっこよく、それはそれは氣持ちよく決められる。

 

実際は、それだけの速度も、
速度に持ちこたえられるだけの筋肉も体幹も自分にはなかったりするわけですが、
うまいリーダーというのは、そういったことを、
一切パートナーに感じさせないのです。

なので…本当に、踊れている感があって氣持ちいい。

 

でも、
リーダーは、その分、相当力技でリードしているんだろうな、と
先生のレッスンを側から見ていて思ったりするわけです。

経験の浅い人は、そもそも軸が弱かったり、
自分で立てていなかったりもするので、
(本当に立てていないんじゃなく、ダンスで必要な自立、ということです)

きっと、
リーダーに寄りかかったり、
不必要なところでリーダーに全体重をかけたりと、
リーダーに力を過分に使わせていることは間違いないのです。
(もちろん私も)

なので、
先生は疲れないかなあ〜、
レッスンだからいいけれど、
自分のガチな踊りが毎日これだったらストレスたまるだろうなあ、
と思うわけです。

ちなみに、
リーダーがそこまで上手くない時のダンスもまた大変です。

常にロープが絡まっていて、
途中で引き戻されるような不自由感を味わう感じ?でしょうか。
「今じゃない感満載の合図」に「吹っ飛ばされそうな強い合図」やらまあ色々。

または、
手をつないでいるのに、
いるのかいないのかわからなかったりする人も(笑)

で、いつも思うのは、
これはコミュニケーションも同じだなと。

ダンスも。
会話も。

完全に自立できている二人が、同じだけの力を出してやるときに、
楽しく、そして美しいのだな、と。

さらには、
そんな関係から、初めて化学変化が起こり
新しいものが生まれる。

二人の間に、意図した表現の「場」が生まれ、「空間」が生まれ、
世界が生まれ、
それがフロアの隅から隅まで見る間に広がって、
観客をぐん、と巻き込むような。

そんなダンスは、
二人の間に舞い踊る風が吹くように。
自由自在に自立し、それぞれが自身の力で存分に表現できる、
そんなペアの間からしか生まれません。

会話も同じで、
感動、閃き、新しいアイデアやエネルギーの爆発。
そんなものが生まれる瞬間というのは、
(コミュニケーションの醍醐味の一つはそこにある、と思うのですが)

会話の量、
言葉の量、質、
発信と受信のバランス
アイデアの量

全てにおいて、
お互いが完全に自立して、同じ熱量で積極的にその場に関わり、
惜しげなく技を出し合う。
自由自在にその場を楽しめる。

そんな時に生まれるんだなと感じます。

コミュニケーションにおいて。
1対1での、そしてチームでの会話の場面において。

「今、自分が及ぼしている影響は?」
「今、相手にとって、この場にとって、自分はどんな役割を果たしているか?」
「このコミュニケーションがプラスのものとなるために、今自分ができることは?」
「バランスはどうだろう?」

ダンスのメタファー。

コミュニケーション力を高める、という観点ににおいて、
自分自身を俯瞰して見てみる時の視点の一つになれば幸いです。

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リーダーよ、物語を語れ—あなたの物語を待っている人がいる—

 

 

 

 

 

コーチングのセッションが一区切りついたクライアントさんに

振り返りシートと一緒に送る手紙があります。

 

 

 

「古今東西、旅人はみな、旅の記録を書きました。

古くは奥の細道、東方見聞録、土佐日記…。

 

旅は、記録された瞬間、物語となります。

そして、これからの自分にとっての、

さらには旅するすべての旅人達にとっての『ガイドブック』『地図』となるのです。

 

きっと、あなたにも、大好きな旅の話があるのではないでしょうか。

 

 

どうぞ、あなたの旅を振り返ってみてください。

どう歩き、何を見、何を感じたのか。

 

いくつかの山や谷を通して、どんな自分と出会い、

そして、どんな自分に氣づいたのか。

岩戸が開き、どんな自分を開花させたのか。

 

 

旅とは、得たものだけではなく、そのプロセスそのものが貴重かつ、大切な財産。

 

これからのあなたの人生を鼓舞すると同時に、

あなたの旅の過程に氣づき、学び、発見し、

助けられるであろう全ての人のためのものなのです

 

 

さあ、あなたの物語を言葉にしてみてください」

 

 

 

 

 

 

 

だいぶ前ですが、

リーダ向けの「物語を語る研修」の様子を番組で見たことがあります。

対象はNPOの代表者。

 

 

「人が集まらない」

「メンバーがバラバラ」

「いまいちやっていることが伝わらない」

 

 

そういった「悩み」を持つ代表たちに、講師が問いかけます。

 

 

「あなた方は、自分の物語を語ったことがありますか?」

 

 

外国人のふっくら体型の講師さんでしたが、彼が優しく問いかける。

そうすると、なんと、ほとんどの人が

 

 

「ない」

 

 

と。

 

 

「自分の体験なんてたいしたことはない。」

「自分のことを言うのは恥ずかしい」

「個人的なことを言うのはあまりよくないこと」

 

 

みな一様にそんな思いを持っていた。

なので、自分たちのやっていること、やりたいことを伝えるのに、

 

「こんなことをします、こういういいことがあります」

 

と「説明」する。

数値を。項目を。

 

 

 

 

 

 

 

人よ、物語を語れ、と思います。

特に、人を導く立場にある人は、語って欲しいと思います。

 

というと、

何か特別な特別な立場にある人を思い浮かべがちですが、

人は全て「誰かにとっての灯台」であり、「導く人」なのです。

もちろん、あなたも。

 

 

 

 

 

 

 

 

物語には、たくさんの力があります。

正論のみでは伝わらない、たくさんのものを内包しています。

 

 

相手の身構えた意識。

判断、判別しなければ、という「意識のガード」。

反発という心のよろい。

それらをするりと超えて、相手の心の中に

するりと入って行くのが「物語」です。

 

 

だからこそ、昔から人は、

物語に教訓や学びを織り込み、語ってきました。

わかりやすいところでは、

「あの川にはカッパが出るから夜行くんじゃないよ〜」とか(笑)

 

 

 

https://ameblo.jp/businesskouko/entry-11751300988.html?frm=theme

(参考:阪神大震災を「本当に」伝えるために

    〜等身大の言葉で語れる「自分の物語」を探した若い先生の話〜)

 

 

 

 

 

古今東西。

ストーリーが、困難な状況、相入れがたい状況を越えて、

人の心をつなぎ、状況を乗り越えた事例は

枚挙にいとまがありません。

 

人を最終的に繋ぐのは、

正論ではなく、通り一遍の一般的な言葉の羅列でもなく。

「ストーリー」なのです。

 

 

 

 

人は、あなたのいうことが正しいからあなたのいうことを聞くのではない。

心から、人が熱量を持って動くとき。

そこにあるのは「共感」「共鳴」「感動」です。

 

 

 

 

正論をぶちかますより。

いえ、それも大切です。それに加えて!

ぜひ、あなたの体験を語ってください。

あなたの人生を語ってください。

あなたの喜びを。あなたのわくわくを。あなたの悲しみを。

 

 

 

 

コミュニケーションによって

人をコントロールすることはできない。

 

 

けれど、

あなたの心からの体験。

あなたの物語。

そこから生まれたあなたの感情。願い。

 

 

そこには、相手の心のガードを外し、

飛び越え、心に届き、

「変化を起こしうる」。

可能性があるのです。

 

 

 

 

 

 

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「傷こそ自分」「傷を愛せよ」

 

 

 

 

新しく買った机が家にきたその日に、傷をつけてしまい、

ものすごく落ち込んだ、という話を昔、書いたことがあるのですが。

 

 

 

3ヶ月くらい探してやっと巡り合ったその机は、

カリモクの女性用の家具で、少し背の低いもので、

一目で氣に入り、袖机も一緒に購入しました。

 

 

待ちに待った配達の日。

組み立ててもらってさあ部屋へ!という時に

廊下の壁で角を「ザリザリ」と擦ってしまい!

 

その時のショックといったらなく、

そのまま夕方までふて寝してしまったくらいでした。

 

 

 

 

 

 

…という、懐かしい出来事を久しぶりに思い出したのは、

テレビでこんなものを見たからで。

 

それは、

外国人が日本に「金継ぎ」を学びにやってくる、という場面。

 

 

 

「西洋だと、壊れたところを完璧に治してわからないようにするのに、

金継ぎは壊れた部分を隠さず、美しく見せるとことがすごい」

 

 

 

とその人。

 

壊れたものを継ぐ、という作業を、芸術にまで昇華させている「金継ぎ」。

傷があることが、価値を高め、

その器の一個の個性として、器を際立たせている。

http://makezine.jp/blog/2015/08/kintsugi-japanese-art-recognizing-beauty-broken-things.html

 

 

 

 

その外国人は、その「金継ぎ」の世界観と、

自分自身の人生を重ね合わせ、

日本へやって来た。

 

 

「僕はこれまでに会社を10個潰しているんだ」

 

 

その上、骨折までしてどん底の時に、

ネットで金継ぎを見つけ、

 

 

 

「壊れても美しく生まれ変わる金継ぎを見て、

自分もまたやれる、と思った」

 

 

 

のだそう。

 

 

「傷を修復するだけでなく、

このお皿の中に、美しい風景を作り出してください」

 

 

という指導者の言葉に感激しながら、

壊れた器の補正部分にヤスリをかける様子は無心。

やがて、

器の欠けを満月に見立てた、美しい作品を作り上げていました。

それは、世界に一つしかない器。

 

 

 

 

 

 

 

さて。

私の机なんですが。

 

空も茜色に染まる頃、やっと起き出して、

ホームセンターへ行き「家具補修の筆ペンセット」を買い、

家に帰って、その小さな傷を丁寧に塗り始め。

 

 

 

色を混ぜ、

確認しながら重ねて塗り、

乾かしてもう一回塗り、

その上に透明なニスを塗り…

 

とやっているうちに、

この机のことが、愛おしくてたまらなくなっていました(笑)

いえ。

傷がなかった時よりも、

さらに愛着がわくと言いますか。

 

これはわたしだけの机だ!

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

「傷こそお前」

「傷こそ個性」

「不完全なところをこそ愛せ」

「傷こそ、愛せ」

 

そう、娘に言ったのは幸田露伴。

ドラマの中での話です。

この時は、「短所」ってことだなあと思って見ていましたが。

 

 

 

欠点も含め、

これまでの人生で、

何か辛いこと、傷ついたことがあったなら。

それこそが、自分という個性の輝きになっている。

 

 

それは、

今のあなたであるために、きっと何か、必要なことだったのだ。

 

今日もし何か、辛いことがあったなら。

それは必ず、あなたという人間のさらなる輝き、深みのためにあったのだ。

 

 

 

 

 

その傷まで含めて、

あなたという人間なのだ。

 

あなたの魅力は。

あなたの輝きは、

あなたのその深い眼差しは。

あなたの声に満ちる響きは。

 

その傷があるからこそなのだ。

 

 

 

 

と。

わたし自身、

今はこの言葉を、そんな風に思うようにしています。

 

 

なぜって。

わたしたちは金継ぎを生み出した民族なんですから。

 

 

 

 

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