「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「心を向ける~海を渡ってお墓へ行く人」

 

昨日
朝のバスの中で隣にすわったご婦人。
大きな花の包みを抱えていらっしゃいました。

包装紙に包んだ菊。
鹿児島ではよくみる光景です。

菊の横から顔を覗かせている背の高い黄緑のとんがらしのお化けみたいな大きいのが気になって
声をかけました。

「それ、何ですか?」

そこから話がはずんでしまい
しばらく時間が過ぎました。

「お花はご仏壇だんですか?お墓ですか?」
とわたし。

鹿児島では
お墓をとにかく大切にするので
お墓へいく方のこういう姿は
お彼岸でなくてもよく目にします。

「お墓参りにいくんですよ~、今から」
「そうですか~」
「桜島なんです」
「えっ」
「天文舘でおりて、水族館口までいって…」
「そのあと歩いて、それからフェリーに乗って…ですね」
「はい。この間はそのあとが大変で…向こうで、いると思ったバスが出ていて、一時間も待ったんですよ」

この方は
いつもこれだけの手間暇と時間をかけて
お墓参りをしていらっしゃるのか。

「桜島のお墓に行くときは
二三日前からもう、いろいろと考えるんですよ」

瞬間
ばたばたと忙しぶっていた自分を思いました。
いかに早く
たくさんのことをする?
それが最大の「善」になっていた自分を。
周りにもそれを求めていたことを。

ふと口をついて出ました。
「ご先祖様…とっても喜んでらっしゃると思います。
時間をかけて、手間をかけて、そこが何より、一番大切なことの気がします」

 

 

大切な人のために
自分の時間を使う。
丁寧に、心をこめて準備をして。

効率とか、短時間にいかにたくさんのことをするかとか
そんなところにはない
大切な「価値」です。

そこに
どれだけ丁寧に、真剣に心を向けるか。
その、目に見えないエネルギーは
必ず伝わり
一番大切な土台を日々作っていくのだと
感じています。

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