「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「電車残照~さよなら鹿児島市旧交通局」

鹿児島市は高麗町の鹿児島市交通局が103年の歴史に幕を閉じ

引っ越しをした4月30日。

最後の一日をどうしても見たくて

高麗町を訪れました。

「見せてください」とお声掛けをしてみると、予想に反して「いいですよ」とのお返事。

乗り鉄でも撮り鉄でもなく、とくに電車に興味があるわけでもなく

もちろん交通局のファンというわけでもないのですが

気づくと山ほどの写真が手元に残っていました。

あえていえば

「時の刻まれた空間」に魅入られてしまった、というべきか。

103年の営みが刻まれた場所を旅した、私にとっての貴重な時間。

よろしければしばしおつきあいくださいませ。




奥に、木造の建物が見えます。

これが『名物』だったのだそう(局内で出会った静岡からいらした「撮り鉄」さんが教えてくださいました)

旗は「太陽国体旗」ですか?

よくわからないのですが…時間がそのまま封じ込められているかのような光景。

木造の整備棟の中の作業場。油のにおいに満ちています。

たくさんの部品の整備がなされ、電車の安全運行を支えてきたのでしょう。

木造整備棟の中はこのようになっています。

学校の校舎のようで懐かしい。

お気に入りの一枚です。

電車に色を付ける際、この扉に「試し」をするのがならわしだったのでしょうか。

こんな接近が日常!

壁にことん、とたてかけてありました。交通局のマーク。

きっと大活躍したんでしょうね。お疲れ様でした。

局の敷地内のあちこちにある石畳と線路が風情を醸し出しています。

規則正しく組まれた天井が美しい。

これは

何でしょう?

「カエルのかさ」はわかるんですが。


これ、何かわかりますか?(ちょっと自慢気^^)めったに見られないもの壱。

建物の裏に山積みしてありました。

一つの重さが半端ない…。

答えは「電車のブレーキ」です。使って摩耗したもの、とのこと。

つい「ひとつください」というセリフが喉元まで出かかってしまいました。

局内発電所。石造り。専用の建物として作ったのでしょうか。

それとも流用でしょうか。これも壊してしまうのかな…。

めったに見られないもの弐です。

お役目を終えたバス停留所。トトロが立っていそうな雰囲気です。

(これも、欲しかった…!)

こんな階段もありました。

木です。すべて木…!

小さい頃、おじの家にあった厩の二階に登る階段にそっくり。

新しい方の整備棟。

とおくにある緑の車体が鮮やかでした。


「まっすぐ」伸びるものが好きなことに気づきました。

そして…

さよなら。

交通局。

ありがとう交通局。

ずっとこの地で電車を安全に走らせてくださった皆様方

本当にありがとうございました。

あたらしい場所で、また頑張ってくださいね。

電車も、新しい家に引っ越しです。

103年。

鹿児島の街の時の流れを電車を通して見つめ

支えてきたこの場所の歴史に幕が下りました。

土地には記憶が残る気がし。

当分この場所、寂しがるのではないかな…と思うことでした。

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