ランチに
スペイン料理のお店に行きました。
鹿児島市田上にある
「La Masia」
スペイン料理のお店なれど…
庭を入っていくと
先ず目に入るのは
純和風の「古民家」
屋根がすうと描く曲線が美しい
ここは、このレストランをなさっているご家族の「ご自宅」なのです。
そして、その広い敷地の一角にこじんまりとしたレストランがあります。
こんなふうに
随所に石の美しい造形が印象的なお店です。
この石
すべて「拾ってきた」ものだというのだからすごい。
これらの石はなんと「石橋」の石。
石橋って??という方のために一口メモ。
鹿児島県には「古い石橋」が多く
鹿児島市内自体にも有名な
「甲突川五石橋」(ごせっきょう)とよばれるものがありました。
(過去形です。
残念ながら今はないのです。
五石橋の在りし日の姿を見たい方はコチラ
http://blowinthewind.net/megane/bmegane-gallery9.htm )
石橋は、古いものでは「嘉永」とか「天明」の建設というものから、昭和の初期までさまざま。
このお店の石は「五石橋」のものではなく、鹿児島の北部、川内というところにかかっていた橋のものだそうです。
いつごろ架けられたものかはわからないのですが
もしかしたら、150年くらい前の姿を今にとどめているものかもしれません。
そういえば
このお店の石たち
わたしたち鹿児島県民(市民かなあ)にとっては
とても懐かしい「どっかでみた表情」で
そこここに、ちょこんと収まっているんですね
そう、いつも見ていた「橋」の名残をしっかりととどめています。
なんとなく…
窓から外を見上げると
となりの古民家の屋根と空が…
ますます「今」を忘れそう。
さて
なぜこんなに「石」のことを言うかというと
歴史を持ちつつ、私たちの「生活道路」としてしっかりと生きていた石橋たち。
これら「五石橋」が「撤去される」と決まったとき
そうならないように、残してくれるように、と、ささやかですが昔、少しだけ
がんばったことがあったからなのです。
写真にもありますが
「西田橋」が取り壊されるという年の暮れ
西田橋の大きな「ぎぼし」にさわりに行ったときのことを思い出します。
ほんとうに、ほんとうに美しい橋でした。
大好きな橋でした。
江戸末期の、先人の技術の結晶を使い続けていること。
夕暮れのビルの群れの中に、溶け込むように石橋があって、その光景が喩えようもなく美しいこと…。
鹿児島の街に住むもわたしにとってまさに「誇り」ともいえる光景でした。
古いものが
こうして形を変え、再び蘇って生活の中に息づいていること、本当に嬉しくなります。
「古材」
「石」
…よきものを
こうして丁寧に「受け継いで」使っていくことにとても心満たされるものを感じつつ
「その姿」をとどめて置けなかった石橋
それを守れなかった自分達に、少し悲しいものを感じます。