メイドカフェはなぜ人気なのか?ーそれはつまり『参加の喜び』

 

 

 

 

外国の観光客がどのように日本を楽しんでいるか?
という特集をよく目にするようになりました。
こんなところが外国の人は新鮮!感動!というもろもろの特集。

 

で、メイドカフェを楽しむ外国人観光客、というのがあったのだけど。

 

 

 

ものすごくたどたどしく、
英語のカンペを一生懸命「読む」メイドさん。
完全な「日本語発音」なのが逆にすがすがしい。

で、その「たどたどしい導き」にちゃんと乗っかって、

 

 

「萌え萌えキュ〜ん❤︎」

 

 

など言ったりして、女性男性、結構な年齢の方も含めて
みんなポーズを取ったりしている。

 

 

 

 

よっぽどの人でない限り、
心中「ぷっ…」と吹きつつも、
しようがないなあ、とぼやきつつも、
「乗って」しまうんじゃないかなあ、と。

 

で、わたしも実は、一度くらいは体験してみたい、
と思っているメイドカフェなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

メイドカフェの楽しさは。

 

 

 

①非日常の空間
②参加の喜び
③自分も動く(声を出す。身体を動かす。五感が動く)

 

 

 

この①と②は完全に連動していて、
①の空間がしっかり作れていて、演出ができていて、
お客さんが没入できると②の「参加してみようかな」に至る。

 

 

 

そして、③こそとても大事。
③には、自己表現、そしてそれへの承認・賞賛、
さらにはみんなで共鳴、共振しあう…

 

 

 

とにかく「人が幸せを感じるコミュニケーションの瞬間」の
真髄が全て詰まっている。

 

 

 

 

 

 

 

と…

 

この三点ではないか、と思います。
そしてこれは、多くの観光地、
これまた話が広がりますが、
わたしの仕事(研修やセミナー)でも基本は同じよねと、

 

いつもながらに思うのです。

 

 

 

「見て綺麗だった」
「いい話を聞いてよかった」

 

 

 

だけでなく。

②と③があると抜群に「満足度」&「感動の度合い」が上がる。
ここまできて初めて、
「また行きたい」「また参加したい」につながる。

 

 

 

 

 

 

 

先日福岡から知人がやって来、
仙巌園にご案内したのだけれど。

 

 

(島津の殿様の別邸。庭園と御殿が美しい)

 

 

 

 

そんな中、一番楽しそうにしていた瞬間は明らかに、
「四半的」の体験コーナーだったなあ、と。
(薩摩の伝統遊戯。座って弓を射る遊びがあるのです)

 

 

 

 

もう(わたしも知人も)「きゃあきゃあ」言ってましたよ。
スタッフさんとの会話も心地よくて。
(この方もわたしたちとの時間を楽しんでくれているんだな〜、
の感がしんしんと伝わってきて)

 

ますます盛り上がってしまって、
近くで見ていた年配のご婦人二人連れまで
弓に引きずり込んでしまいました。
(小さく売り上げに貢献です♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに。

 

このコロナの3年間を機に、
鹿児島一番の名所の一つである、いわゆる超老舗の「仙巌園」が、
元々あった「非日常」に加えて、
②と③を兼ね備えた場所にものすごい勢いで「脱皮」したことは確かなのです。

 

(以前は地元民にとっては、
遠方から誰か来たときに連れていく場所。
小学校の遠足以降「10年に一度」足を運べばいい場所、
というような位置付けだったように思います。

 

そして、スタッフの人たちと何か会話を交わしたという覚えもあまりない)

 

 

 

 

 

この「脱皮」の様子をつぶさに見ていたこちらとしては、
とても興味深く、
そのプロセスを注視し続けているわけなのですが。

(もちろん、すごいなあ、嬉しいなあ、と思いつつ。
なんにせよ、いろんなお客様を自信を持って、かつ何度も
「連れて行きたい」と思える場所が出来たというのは嬉しく、ありがたい)

 

 

 

 

 

人が動く。
世の中が動く。
堰を切ったように。

 

 

 

 

 

そんなこの春から初夏に向けて、
この雑感が参考になる方々がいましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

(写真は弓をつがえる知人です。これは五射目。凛々しいでしょう??
スタッフさんのお声がけ(と素敵な励まし!)で、
どんどん姿かたち(&心)が変化していくんですよねえ)

 

 

 

変われるってすごいよねー進化する仙巌園(鹿児島名所)

 

 

 

「仙巌園(せんがんえん)」

 

というのは、鹿児島市内にある「旧島津家別邸」の名称でして、

鹿児島県民は昔から「磯庭園(いそていえん)」と呼んで、

親しんでいる場所なんですが。

 

 

(ここ)

 

 

 

 

「磯庭園」といえば、

小学校の頃、遠足で一度は行くところ。

で、

あとは10年のうち、行って1〜2回、ですかねえ。

県外の人が来たからどこ連れて行こう?

じゃあ磯庭園行っとく?みたいな。

 

 

 

 

 

綺麗なお庭も、立派な御殿も一度見れば十分。

 

県民にとっては、(よっぽどわたしのような史跡好きでない限り)

「何度も行く」場所ではなく、

海沿い、国道10号線の脇にある大きな屋敷と庭園。

観光客が行くところ、の認識だったわけですが。

 

 

 

 

 

 

 

その仙巌園が、

ものすごい勢いで変化を始めたのは、2年前。

県外からのお客様が全く見込めなくなってしまった時。

 

 

 

 

 

 

長く休んでいるなあ仙巌園〜、

仕方ないよなあ〜、

大変だろうなあ〜、

と思っていたのですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、休園中の仙巌園が、県内のお客様向けのツアーの募集をしている、

と知ったのは梅雨も近い頃。

しかも、とてもリーズナブルな料金!

 

で、早速応募したわけなのですが。

 

 

 

 

 

当日は、ざんざかぶりの雨。

せっかくのツアーなのに…とちょっとだけ鬱陶しい気持ちで現地に行きました。

が…

 

 

 

 

結果。たのしかった。

とても楽しかった。

今でも、「ああ〜、あの日、楽しかったよなあ」と、

ちょっとほっこりとなるくらいに、楽しかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのツアーは、いわば「パイロット版」。

仙巌園の皆さんの「活路を見出す」ための知恵と工夫とアイデアと「実験」、

そして、何より熱意に溢れていた、

と。

 

思い出すに、そうだったのだろうなあ、と思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

アクティビティでは、

入社はしたものの、休園のせいで今日まで一度もお客様の前に出たことがありません、

という新人のスタッフさんが、

少しだけ緊張しながらも、全力で体験をサポートしてくれました。

 

(薩摩切子のガラスでアクセサリーを作ったのですが、

説明にはじまって、作成途中での、「素敵な色です!」「いいと思います!」「うまいと思います!」

という可愛らしい声かけがとても嬉しくてですね)

 

 

 

 

 

 

 

衣装の着用体験も、

お食事の時間も、

なんと言いますか…

 

とても「一人一人の『人』として接してもらっている」感じがしたのでした。

一緒に喜んで、一緒に楽しんもらっている感じ?

正直、ここで、こういう「嬉しさ」を味わったのは、初めてのことでした。

(大きな有名どころの観光施設は、少々接客が少々まずくても仕方ない、と、昔はそう思ったこともあり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

何を長々と書いているかと言いますと、

わたしの知人がここに勤めていまして、

 

「今、新しい体験コーナーの準備中で、今日はミシンを踏んでいました!」

 

と。

 

 

 

 

 

HPを見ると、知らぬまに、体験コーナーがたくさん増えており。

(全部体験してみたい〜!)

 

 

ああ、あれもこれも、

一人一人のスタッフさんたちが、

手作りで心を込めて作っているんだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

仙巌園。

以前から「年パス」愛用者ではあったのですが、最近行くのがとみに楽しいのは、

 

「大きな有名観光どころ」から、

(いや、変わらずそうではあるんですが)

 

 

加えて、

「顔の見える、血の通ったもてなしが(人とのつながりが)待っている場所」

へと、

 

 

進化し続けているからだろうな、と思うのです。

 

 

 

 

 

正直なところ、

「老舗」の大きな場所(組織)が、あんなふうに変わって行きつつある、というのはすごいよな、

と素直に思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

がんばれ、全国の観光地。

 

 

 

 

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