昨日も
一昨日に引き続き美しい春と出会い。
もったいないので
そのことを描きます。
題して「江戸東京~五感の旅」。
隅田川。水上バスより。
50分かかってゆっくりと川を下りながら
浜離宮まで行きます。
途中の観光案内を聞きながら
東京にはつくづく
たくさん江戸が息づいてるなあと嘆息。
河岸から
松尾芭蕉が満開の桜を背に
船に満載になって
年に一度、陽気にはしゃぐ日本人を
眺めていましたっけ。
(正確には芭蕉の像ですけれど)
水上バスの展望デッキから体中で浴びる日差しと風。
目を開けていられないくらいキラキラしていました。
岸辺のピンクが目にやさしい。
あと…蛇足ですが
水上バスのエンジンの音と、燃料の?油のにおい。
あれは独特ですね。
浜離宮。
なんとも不思議な光景でした。
鳥の声を聴きながら
鼻孔いっぱいに青臭い菜の花のむせかえるような香りをかいで
「なつかしいですね」
などと言っているのに
その向こうに青空をバックにそびえたつビル。
根元から地を這い、ヤマタノオロチのようにダイナミックに枝を伸ばす「300年の松」
の向こうにやっぱりみえるのは
ビル。
まるでなにか、違う惑星に降り立ったような感覚を感じました。
門をくぐり
浜離宮の広大な敷地を一歩出た瞬間に
道一つを隔てて、高速道路のおびただしい車の音の洗礼が。
あっという間に「プツン」と
「江戸」が断ち切れてしまう、その感覚は
田舎では味わいようのない不思議なものでした。
え~。
「五感の旅」最後は味覚ということで…。
鯛めしです。
汐留の、美味しいと評判の鯛めし屋さん。
春の味覚を存分に満喫させていただきました。
旅先では
いつもよりずっと「今、ここ」のみにいて
その瞬間の感覚「のみ」をしっかりと味わっている気がします。
日常と切り離されているわけですから
当たり前と言えば当たり前なんですけれど。
駅の前のカフェでラテを飲みながら
街ゆく人を眺めていましたが
携帯を覗き込みながら足早にあるいていく人たちに
「みな、ここにいるけれど、ここにはいないんだな。(心はどこか、過去か未来か)」
としみじみと感じたことでした。
わたしも、帰るとおんなじ顔をして足早に歩いているんでしょうね。