伯父の整体院に行った帰り道
さあ午後から打ち合わせだと結構急いでいたのですが
ふと、遠くに見つけました。
家の間に、そこだけふわっと白い空間。
あれは大好きな梅ではないかしら。それも、あんなに固まっている。
「どうしよう」
時計を見て、ちょっと迷ったのですが…
車を大通りから下ろして、道を探します。
途中で車を止め、さらに静かな人家の間に足を踏み入れること数分。
見つけました。
うわあ~。
白い梅の林が、音もなく静かにありました。
本当に静かで、人っ子一人いません。
青い空に緑の美しい下草。そして、動いているのは花びらだけ。
白い花びらが今まさに、散っているところなのです。
はらはらはら…
どっちを向いても梅、梅、梅…
なんですけれど、その香りは、体中つつまれてちょうどよいくらいに上品でした。
今日の鹿児島は、夕方から激しい雨。
運転するのも大変なくらいのどしゃぶりが2時間ほど続きました。
この梅には、今日でなければ出会えなかったのだなあ。
「また今度」「次の機会に」
そうやって、これまで幾度、本当に欲しいものを自分に与えずに来たことだろう。
かすかに盛りをすぎ、花びらを雪のようにはらはらと落とし始めたその時に
ちゃんと出会うことが出来たということに、こそばゆいような嬉しさを感じました。
車を止めて、本当に、よかった。