11月21日(土)
鹿児島地区の勉強会が終了いたしました。
この日は
いつもと違い、一つまたチャレンジを…。
ご参加くださった方から
「今コミュニケーションについて、一番考えていること。知りたいこと」
をお話していただき
そこからその日にやることを決めるというやり方。
いらしてくださった先生から
こんなお話をいただきました。
「子どもとの間の『垣根』をとるには?
子どもが『別に』とか、心を開かない反応をするときに
まずどうやって話をしていけばいいか」
う~ん。どうしよう。
頭の中に、いくつか選択肢が浮かんだのですが
この日は
「Iメッセージ」について学ぶことにしました。
子どもとの関わりの中で
日々交わされるのは圧倒的に「指導・説諭・説得」が多い。
何度言っても宿題の作文を持ってこない子に
「ダメじゃないか。ちゃんとしなさい。約束を守れないようじゃ将来困るよ
社会に出てから信頼されないよ」云々…。
先のこと(進路)がまだよくわかんない、という高校生の息子さんに
「そんなことでそうするの。いいかげんちゃんと考えないと。
計画を立てて進まないと、将来そんなことじゃ大変よ…」
まあ、なんとも立派な「お説」ですね。
これらは、伝え方としては「YOUメッセージ」をいう伝え方です。
「あなたはダメじゃない。あなたは将来困るわよ。あなたは信頼されないわよ」
「あなた」を主語として、相手を「変えよう」「意図する方向に動かそう」
とする大人の意図が働いています。
思うに、こういう場合の「YOUメッセージ」が
子どもに受け取ってもらえるのは
子どもが大人を(つまり、それを言っているあなたを)
「凄い存在だ」と無条件に心から尊敬しているときくらいだと
思うんですよね。
力で押さえつけられて恐怖心から「聞いている」状態のときは
その場では聞いていても、心の中には入っていないでしょうし
あなたと子どもの「力関係」が逆転したとたんに
「ものすごい反発」や
「軽蔑」の言動となって子どもから帰ってくることでしょう。
(私自身も、教員時代に「いやっ」ていうくらい体験しましたからね^^『逆転現象』)
さて
体も小さく、顔もこわもてでもなく
体力も並。
そしてたいして指導力もない教員時代のわたしが
この「負のスパイラル」
(YOUメッセージで「世間一般の常識という正義」をたてに子どもを
コントロールしようとして、倍の反発を受ける)
からいかにして脱出したか…^^
その鍵は
「Iメッセージ」
にありました。
「相手が取った言動から、自分がどのような影響を受けたかを
『私』を主語にして伝える」のが「Iメッセージ」
「あなたの宿題を見るのを、『私は』楽しみにしていた。
見られなくて『私は』残念に思っている。
今、『私は』ちょっと悲しい。」
先の、高校生のお子さんを持つ親御さんは
こういうふうに息子さんに言います、と
ロールプレイで演じてくださいました。
「あなたが、自分の好きなことを見つけて生き生きしているのを見ると
『お母さんは』とっても嬉しい。
『お母さんは』あなたが将来、自分の大好きなことを見つけて
自分の人生を歩んでいく人になっていほしいと思っている」
自分がこの方の子どもだったら…と想像すると
先の「YOUメッセージ」ではもう「ムカつく」という言葉が出そうなくらい
受け取ることが出来ません^^。
そして、この「Iメッセージ」は…
戸惑いながらも
「お母さんがそう思ってるってことはわかったよ。
たまには考えてみるか…うまく行くかはわかんないけどサ」
くらいの気持ちにはなるのではないでしょうか。
さて
先日、熊本のコーチフォーラムでもお伝えしたのですが
「子どもがあなたから聞きたいのは『世間一般の正論』ではない。
あなたの人生から生まれた『生きた言葉』が聞きたいのだ。
あなたの『思い』。あなたの『心』を聞きたいのだ」
といったところでしょうか。
「正論」「常識」「世間は」「みはな」…。
そこを離れて、「自分の言葉」で
「自分の感情を語る」
これは、相当勇気のいることです。
真の意味で、自分と向き合うことにほかならないからです。
でも、自分の「感情」と向き合えない人間が
子どもの「心」をつかむことなど、できはしないのです。