知人。
44歳、男性。
妻子あり。
職業、公務員。
がっしりとした骨太の体躯。
初めて会ったときは、その低めの穏やかな声で語るあれこれの
その世界の広さに聞き入ったものでした。
アカデミックな世界からスポーツまで「極めてる」その世界が幅広く。
ああ、こういう人のことを「文武両道」っていうんだなあ
なんだか、人生堅実に生きてらっしゃるなあ…
なんてことをぼんやりと思いつつ。
さて
その人の
「みょ~な(笑)」
写真をフェイスブック上で見たのは数日前。
これって…なんだっけ??
どこかで、どこかで見たような。
この「服」。
それは
その方の「ライブ」の写真。
(まあ、その人がピアノまで弾けたっていうところも衝撃だったのですが。
どんだけ守備範囲、広いんですか!と)
ギターやらなにやらを持った方々と、ノリノリで
キーボードをたたくその姿に驚きつつ
もっと驚いたのはその「服装」。
「私の衣装は、調査兵団です!」
ライブのネット中継のお知らせとともに、そう
喜々としてメールに書いてありました。
「しかも、オーダーメイドです!」
だそうで(笑)。
何のことかわからない方のために説明しますと
つまり、どう見ても
「進撃の巨人」
の登場人物が着ている衣装なのです。
このアニメ、登場する若者たちは、兵隊の訓練学校卒業後、
「憲兵団」
「駐屯兵団」
「調査兵団」
の3つのどれかに所属することになる、という設定なんですが
そこで主人公の「エレン」が選ぶのが3つの兵団の中で最も危険で
もっともハードな「調査兵団」という設定。
ちなみに、この3つの兵団の服の形はたいそう似通っており
違いは背中に入った紋章程度、という違いで、どれを着ても変わらなさそうな気もするんですが
「私の衣装は、調査兵団です!」
と意気揚々とおっしゃっているあたり
是が非でも「調査兵団」の衣装じゃないといけなかったんでしょう。
しかも特注…。
がっしりとした上背のある方なので、市販のコスプレ衣装ではサイズがなかった、ということですね。
特注…
特注…
あなた、どこにいくんですか…
あなた、どこまで「極める」のがお好きなんですか…
いろんなセリフが頭の中を渦巻きつつ
面白いのも手伝っていといろメールでそそのかしてみました。
「次は衣装着て、全身写真送ってくださいよ。もちろん、屋根から屋根へ飛び移ってるところ!」
(この服で、蒼天をバックに建物から建物へと空間を自由自在に飛び回るところが
このアニメのカッコいいところの一つなのです)
すると
至って大真面目な返事が。
「壁に鋲が刺さらないのでムリです。
(そんなの、当たり前でしょ~)←私、こころの声
それに、立体起動装置は高くて買えませんでした(T_T)」
男44歳。
痛恨の、実に残念そうなメール。
立体起動装置というのは、このアニメの世界観を多分すごく際立たせている独特の設定で
主人公たちが戦いのために装着している『空中移動』のための装置のなのです。
そっか~、買えなかったんだ。残念。
…ってことは、売ってるってことですね!あんなものまで。
恐るべし、コスプレの世界、です。
さて
このあとも、この方から詳細な
「衣装情報」がメールにて。
…衣装にはほかに、あれと、これと、これがついているんですよ。
…主人公のつけているペンダントはUFOキャッチャーでGETしました♪
何?
なんですか、これは。
この、幸せそうな…何とも無垢なメール。
こんなの、こんな感覚、最近見たことない。味わったことない。
他の誰も、こんな波動出してなかった。
たくさん若い子とも会うけれど
誰も。
こんなに自分にOKを出している。
自分の世界に
自分の感覚に
自分の楽しみにまっすぐにOKを出している。
なにコレ・・・悔しい。
職責を
家庭の責任を
そして
その他のいくつもの「立場」を双肩にがしっ、と背負いつつ
『調査兵団』のマントをその身にまとい、走り続ける男、不惑の44歳。
なんて…
なんて…
輝いているんだろう。
何、というわけではないんですが
この彼とのやりとりが終わった時に
エネルギーが満ちたような。
とても身軽になっている自分を感じたのでした。
まとめ。
「本当に、自分を信じ
自分を生きて、楽しんでいる人は、それだけで周りの人に
貢献している。
その姿を見せるだけで」
ということでしょうか。