「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

日本人は「ともに」の民族ーお宮参りと婚礼と

 

日本中がオリンピック招致決定に沸いた8日。

 

朝5時の生中継を、いつにない、がっつりメイクの顔で見つめていました。
日本中の皆さんとその瞬間を喜び、
もう一つの慶びの席へ出発。

この日は、クライアントさんの婚礼という晴れの門出に
お招きいただいたのでした。

くれぐれも失礼がないように、
そして、心からのお祝いを表したいと、
着ていく衣装選びや、晴れがましくもお声掛けいただいたスピーチの準備と、
それまでの時間もとても楽しみながら迎えた当日。

9月に入っているけど鹿児島はまだまだ暑い。
紗の一つ紋の色無地でいいだろう。
礼装用の夏帯は持っていないので、この際だから帯のみ新調。
帯の柄は…悩みます。

いつもなら、少し抑えた色、柄のものを選ぶけど、
今回は吉祥紋がしっかりと織られた、華やかな絽の帯を選びました。
とにかく、すべてを総動員してお二人の門出の「場」を祝いたい、という思いがあり。

 

好みよりも、その場にいる「景色」の一つとして、祝いの力をより持ったものを選ぼうと。
(文様ひとつとっても、意味と力があるわけで)

…とまあ、詳しくないなりに考えて考えて、選んでいく
プロセスの楽しかったこと。

 

当日
鶴の柄の白無垢に身を包んだ花嫁さん。
もう、それはそれは美しくて!

新郎新婦を囲んでの記念撮影の後
神殿にての挙式となりました。

ここの神宮は、オープンペースといいますか、
自由に、誰でも間近で挙式を見ることができます。
ちょっと能舞台に似ている感じの神殿です。

厳かに式が進む中、多くの方がお参りがてらやって来ます。
みなさん、挙式をしているとわかると、
お子さんに「しーっ」と声をかけ、そっーとお参り。

「きれいね~」

「花嫁さんだね~」

 

と言いながら
見守ってゆかれる。

この日、境内には、
お宮参りの赤ちゃんもたくさん。
初々しいお母さんとお父さん。
そして新しい、萌える命をしかと懐に抱いて、誇らしげなおばあちゃんの姿もかっこいい。
もう、みんなきらきら光っている感じです。

「うわ~、神様、喜んでいらっしゃるだろうな」

と、ふと、そんなことを思いました。

この世に命が生まれたことを神様に報告し、ご加護を願う人々。
成長し、ただ一人の人と巡り合い、

新しい縁をつなぐことを神様に報告する人々。

人生のいろいろな場面がそこにあって、
それらをそこにいる人たちがともに祝っている。
とても自然に。
みんな一緒に。
かみさまのもとに集いながら。

「日本人の命の営み」

そんな言葉がふと、浮かんできました。

日頃は意識することはありませんが
わたしたちのDNAの中にきっと、しっかりと刷り込まれているのでしょう。
そんな気がしました。
何が、かといいますと

「ともに」

という感覚、でしょうか。

人とのつながり
命のつながり
そして
かみさま(といいますか、見えない大きな何か、を随所に見、それを信じるという心)とのつながり

いつもは忘れてしまっていますが
わたしたちは、自分たちで思うよりずっと
そういったものと密接にかかわり
そして助けられて生きているのでしょう。

目にはみえないけれど
わたしたち日本人を根っ子の根っこでつないでいる

 

 

「何か」。

それを

この日、全身で浸る幸せな感じとともに

味わったように思いました。

 

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