ひさしぶりに
大泣きしながら本を読みました。カフェで。
「人生に悩んだら『日本史』に聞こう~幸せの種は歴史の中にある」
(白駒妃登美&ひすいこたろう 祥伝社)
白駒妃登美(しらこま ひとみ)さんとは
一度だけお目にかかったことがあります。
妃登美さんが鹿児島にいらした際、市内の史跡をちょこっと案内させていただいたことがあるのです。
島津斉彬公が祀られている照国神社。
西郷隆盛をはじめ、西南の役で亡くなった西郷軍のお墓がある南洲神社。
ま、「案内」と、言っても
ずっとずっと妃登美さんのほうが詳しくていらっしゃいましたけれどね(笑)。
私も歴史が好きで
特に幕末~明治は外せないのですが
その中で、どうも「薩摩の歴史」が苦手です。薩摩人でありながら。
小さいころに学校で、
郷土教育資料「薩摩の偉人達」をさんざん読まされたからか
父親が西郷隆盛大好きだったからか
とにかく、小さいころからあまりに身近に、空気のようにそこにあったので
客観的にそのすごさ、素晴らしさ、魅力をを感じることができないでいたのです。
西郷さんも大久保利通も、その存在は「近所のおじさん」。
どうもきらめかない。ときめかない。
もしくは
まるで「道徳の本」を読んでいるような感覚で。
(「いい人、すごい人ですね~」で終わり)
幕末の薩摩の動きを頭に入れようと思ったら、会津藩とか、あっちのほうの年表に
頭の中で変換して照らし合わせていました。
さて
そんなわたしに、あらためて薩摩の魅力に目を開かせるきっかけを作ってくれたのが
白駒妃登美さんです。
目を輝かせて南洲神社でお汁粉(だったか?)を食べながら
よく響くアルトの声で
「西郷隆盛の逸話」をいきいきと語ってくださいました。
郷土教育教材ではなく
その人を心から愛する人の口から語られるストーリーは
同じ話であっても、こんなにも変わるものなのか。
血肉の通ったものとなるのか、と感じた瞬間でした。
その時はじめてわたしは「西郷ドン、かわいい…かも♪」と思ったのです。
さて
その白駒さんが「日本人のDNA」について書いたのがこの本。
わたしたちの先を生きたたくさんの「先輩」(とあえて呼びましょう)たちが
どのようにクリエイティブに、元気に、粋に、豊かに、そして美しく、まっすぐに
「日本人らしく」生きたのかが書かれています。
豊臣秀吉
伊能忠敬
島津斉彬
北里柴三郎
小栗上野介
…
そして、その「日本人らしさ」が
どれだけ外国を含めた周囲の人たちの心を打ち、尊敬を勝ち得
人々との絆を深め
それが今に続いているのか。
「私は、航空会社に勤務していた頃、仕事や旅行で海外のさまざまな街を訪れましたが、
そのたびに、『日本人ブランド』を感じていました。
『日本人だから』という理由だけで、
信用してもらえたり、とても親切にしていただきました。
それは、先人たちの素晴らしい生き方に、世界中の人々が共感してくれていることから
きていたと思います。」 (by妃登美さん)
本文通中に紹介されている詩人クローデルの言葉。
(大正10年から昭和2年まで駐日フランス大使を務めた人だそう)
「日本人は貧しい。しかし高貴だ。
世界でただ一つ、どうしても生き残ってほしい民族を挙げるとしたらそれは日本人だ」
こう言わしめた私たちの先人たち。
そして、私たちの中に、その遺伝子はあるはずなのです。確実に。
先人の残してくれた「遺産」を
使っていくだけでなく
それを受け継ぎ、現代に生きる日本人として
日々
その生き方を今こそ「発信」していかなければならないのだろう
と感じています。
心ふるえる先人たちの生きざまは
どうぞ本にて!出会ってください!