目的を一にする集団のコミュニケーションには、2つの側面があります。
1. 目的達成に必要な情報の円滑な伝達
2. そこには直接関係のない情報や感情のやりとり
こと仕事という場面において重要視されるのは1。
しかし、それを本当の意味で機能させるのは、豊かなる2の存在です。
2のことを、コミュニケーションの世界では
「セカンドシグナル 」という名で呼んだりもします。
1、つまり伝えたいメッセージ が相手に作用し、受け取られるためには、
「セカンドシグナル 」が伝わっていることが必要。
そして「セカンドシグナル 」は常態化している必要がある、と。
(「コーチングマネジメント」伊藤守 より)
「これをやってくれないか」
「(君は私たちの仲間だ)」
「何をやっているんだ!」
「(君を信頼している)」
人は身体を持ち、感情を持ちます。
それは、わたしたちの行動、意思決定に、常に大きな影響を与えています。
人とは、決して、理路整然とした頭による思考のみで動いているわけではない。
集団の中での「より良いコミュニケーション」とは、
この2つをバランスよく培う、ということに他なりません。
集団にとって。
コミュニケーション環境とは、まさに「土」。
豊かな、暖かい滋養に溢れた土こそが、
そこに育つ植物に栄養を与えるように。
生き生きとした創造力を有する集団の土は例外なく豊かです。
成員に力を与え、幸福感を与え、誇りを与えます。
目的への誇りと同時に、
その集団に所属すること自体の誇り、
そして何より、一人の人間としての誇りを与えます。
集団を営むということは。
利を生み、世に貢献するのはもちろんのこと、
人がそのように生きることができる場である、ということ自体が、
まず、その存在価値と言えるのではないでしょうか。
そしてそれこそが、真に世の中に貢献できる集団と言えるのではないでしょうか。
研修はこれらを体験する場です
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よりよいコミュニケーションのための基礎的な視点・技術を学ぶ場
職場のみならず、全てのコミュニケーション場面に共通する視点と技術を体験します。 -
メンバー同士の相互理解を深める場
自分を知ってもらう。相手のことを知る。共感し合う。その単純なことがどれだけ嬉しく、元気をもらえるものかということを、
大人は案外忘れてしまっているものです。 -
自分自身のコミュニケーションを振り返る場
「自分の現在地」を知ることが学びの第一歩です。 -
一体感をつくり、集団のエネルギーを上げる場
身体を使ったコミュニケーションゲーム・合意形成ゲーム・プレゼンテーションゲーム。
「業務とは関わりのない」ものを「みんなでつくる」。
「固まった日常」「固定した役割」から離れたところに出現する空間こそが、揺らぎ、心が動き、発見と変化への第一歩となります。
新しいエネルギーが生まれます。 -
自分の強み。他者の強み。チームの強みを発見し、言語化し、認め合い共有する場
思っているだけでは伝わらない。
いい集団には、必ずこの関わりが様々な形で、さりげなくあふれています。
自分を認める。自分を誇る。チームが好きで、誇りに思う。
会社組織だけでなく、全ての人、集団の健全な成長に欠かせないのが欠かせないのがこれらの環境であり、感覚です。
研修の内容例 (抜粋)
コミュニケーションを支える「土壌」を耕すー全てのコミュニケーションを支える「基礎の力」とは
・コミュニケーションに必要な「発信力」と「受信力」とは
・「コミュニケーションはキャッチボール」−キャッチボールに必要なルールとは?
・「話を聞く」ということのコミュニケーションにおける役割
・自分の「聞く力」を知るー「聞く」4つのレベル
・よりよく聞くために−優れた聞き手が自然とやっている基本の行動
・「自分は会話下手」だと感じている人が抱えている会話というものへの5つの誤解
相互理解ー「自分を知る。他者を知る。双方の強みを生かす」
・「わたしたちはこんなにも違う」−コミュニケーションの齟齬を生む三つの「違い」
・コミュニケーションにおける「強み」の定義とはー強みと弱みは表裏一体
・すべては観察から始まる−わたしたちはどのくらい相手を「見て」いるか?
・言葉というものへの「センス」を磨くー言葉の向きは「意識の向き」
・「褒めるところがない」というけれどー「褒めるということ」にわたしたちが持つ誤解
・出来事ではなくものの見方を変えるー「枠を変える」「枠を外す」
・伝えるということー受け取りやすい「伝え方」は存在する
チームの力を発揮するー「違う個性」が心地よく組み合ってこそ、自由自在のチームになれる
・「相手と自分は違う」。この簡単な事実をわたしたちは身体ベルでわかる必要がある
ー身体を使ったコミュニケーションゲーム
・「呼吸を合わせる」とはつまり何をすることか?ー表現ゲームを通して磨く「受信する力」と「発信する力」
・コミュニケーションを阻む要因ー「他者をコントロールしたい」気持ちを手放してみる
・一人一人、違うからこそ豊かな創造ができるーチームによる創作ゲーム
・「違い」を埋めるためにわたしたちには対話があるのだー合意形成ゲーム
・「そしてあなたは何者か?」ー大切なもの(価値観)を伝え合う「ヒーローインタビューゲーム」
オンライン研修
ZOOMによるオンライン研修を行っています。
・オンライン研修の特徴
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少人数での閉じた空間(グループワーク)の場が設定されるため、人前で発言をするのが苦手な傾向の
方には、集中して深く考え、自分のリズムで発言できる傾向があります。 -
人によっては、広い空間内での周囲の視線や他者の話し声等を気にせず、
コミュニケーションのエクササイズに取り組めることに安心感を感じるという利点があります。 - 場所の移動がないため、気軽に学びの場に参加できるという利点があります。
- 研修の参加人数は少人数から対応しています。
集合研修とオンラインの組み合わせ等、メンバーの個性、特徴によって効果的に使い分けていただければと思います。
受講者の声
話をするときに、相手の表情、姿勢、言葉などを真似するだけでも相手は心を開いてくれるというのはすごく納得しました。
講習前でも多少なりともやっていることだけど、改めて有効な手段だということに気付きました。
仕事の営業では初対面の人としゃべることが多いので、ペーシングなどは本当に有効だと思います。
普段から意識して使うようにして、自然と使っていけるようになりたいです。
意識しつづければ段々自然と体が動いたり相手に合わせるようになったり、
言葉を繰り返していたりするようになると思うのでがんばって体に覚えさせたいです。
今日わかったことは、聞かれても上手く言葉にできないこともあるということ。
また、問われて初めて考え出すこともある、問われることで自分の考えをまとめるきっかけができ、その後の意識や行動が変化することにもつながるということ。
こうしたことを「聞かれる」側の立場に立って体験し、聞くことの力を体験的に学ぶことができました。
今回の研修では、コミュニケーションの基本を体験することに多くの時間があてられました。これだけ時間をかけて体感するような経験は無く、今回の研修は行動に直結する練習になりました。オーバーアクションでやってみると、次第にこれは実際に自分が使うスキルだと思えてきました。「知っている」ことから「やってみる」ことになったと感じました。
練習を経て、実行することの抵抗が無くなり、いつしか自分の体が動きそうな手ごたえを感じることができました。
実践的な講座でとてもためになりました。
人と人が心を開いてコミュニケーションをとるための手助けとなる今日の技術は、これから色々な人としゃべるうえでとても役にたつスキルだと感じました。パートさんと話すときに使用してみましたが、会話が今まで以上に弾み、ペーシングの後に相手も自分と同じテンポ感の会話や姿勢になっていっているのがわかりました。なによりいままで短かったコミュニケーションが大幅に長くなりました。
この事で、コミュニケーションの姿勢というのを自分で意識した事がないのだと改めて実感しました。
セールストークをした後に、お客様の話をできるだけ多く引き出すよう心がけました。ペーシングを意識してからはお客様と会話する時間が明らかに長くなりました。今後、仕事の数字に繋がっていくのではないかと期待しています。お客様の趣味や旅行の話を広げて、話がはずむことも多かったので、リーディングも少しはできるようになったのではないかと思います。まだ身につくには時間がかかりそうですが、今後も取り組んでいきたいと思います。
常に相手に対して注意を払うことの重要性を感じました。また、それを相手に伝えてはじめて意味があるということもわかりました。
人間関係は小さな気配りの積み重ね。相手が仕事関係でも友人でも基本は同じだとあらてめて感じました。
この研修は、社員全員が早く受講すべきだと思います。今は幹部のみですが、早く受講することにより社内的にも営業的にも身につき、社員の結束、またお客様に対し、役立つことは言うまでもありません。よくトップがこの研修を取り入れてくれたと思います。毎回の受講のたびにプラスに頭が再生されます。
とても勉強になりました。ものの考え方や、その方法など奥深い勉強でした。
一生使っていくこととなるので、この研修を受けてよかったです。
研修を受けて、人と話すのが前より苦手ではなくなった気がします。営業などで、面識のない方と話すことが多く、そのことが仕事への苦手意識になっていたのですが、少しは解消されたのではないかと思います。これからも実践していけば、今以上に成果が上がる気がします。
相手の話を聞くということの大切さ、また、うまく話を導き出すためのサポート。今までその余裕が自分にあったのだろうかと疑問に思いました。現場訪問をしながらご年配の方に試してみましたが、気持ちよく話される姿に、サポートすることの大切さをあらためて感じました。
言葉の使い方で、ずいぶん違うのだと感じました。言葉のかけ方で前向きや、やる気、問題解決の方向に持って行けたり、また逆にマイナスに考えさせたり。本当に「言葉の怖さ」というか「重み」を学びました。
「聞くこと」の大切さを改めて感じながら、これまでの自分がどれだけ聞いてこなかったかを実感しました。また、相手の心理をときほぐすのにとても良い勉強になりました。
「受容と要求」で生徒に接しなさいと先輩から言われ心がけていたつもりでしたが、「要求」のときに自分の意見を押し付けていた気がします。今日学んだことを生かしていきたい。
人から話をきいてもらえるという安心感を相手、特に生徒に今後与えて私自身が話を聴ける人になっていければと思いました。また、相手の話をきくこと、相手の立場になり話しやすい環境づくり、聞き方の工夫と、とても勉強になりました。
一人の輝き。 一人の喜び。
一人の誇り。 一人の成長。
そこにこそ、創造力あふれる集団の土台がある。
自分が組織で働いていた時のことを、いろいろと懐かしく思い出します。
居心地の良かった組織。
そこの一員であることが本当に嬉しくて仕方がなかった組織もあった。
いろいろな人も思い出します。
たまに思い出すのは、とある女の子のことです。
その頃19歳か20歳くらいだったでしょうか。
いつも、「かったるそうに」仕事をしているように見えました。
(わたし目線ですが)
そして、お客さんが山ほど来る場所であったにもかかわらず、わたしはその子が笑うのを見たことがなかった。
彼女と短期間、彼女の持ち場で二人で仕事をしたことがあるのですが、始めは木で鼻を括ったような返事が返ってくるのみで、まあ、一緒にいるのが「針の筵」で。
彼女がポツポツと自分の話を始め、「今聴いているCD」と、わたしに貸してくれたのは、どれくらい時間がたった頃だったか、思い出せないんですが。
ある日彼女はこう言いました。
「自分だって、この持ち場をああしたい、こうしたいとは思っている。けど…」
「…思ってたのか!」
(軽く驚愕)
なので、彼女にこう言いました。
「企画書、書いてみたら?」
そして、ざっくりと、企画書の書き方、というものを多分伝えたんだと思います。
まあ、企画書、というよりは学校のイベント計画書的な流れを言ったのでしょうが。
数日後。
彼女はしっかと仕上げてきました。
A4の紙に鉛筆書き。
一文字のサイズが1センチ✖1センチくらいの大きな字。
手書きの図も添えて。
多分人生「初」の企画書。
今でも、そのやや薄い鉛筆書きの文字をはっきりと思い出します。
*
いつも、このことを思い出すたびに思うのは、社員にああいう顔をさせてちゃいけないよなあ、
という感慨なのです。
彼女の中にちゃんとあった、創造のたね、創造の力を。
何より「想い」を。
使えていなかったのはもったいなよなあと。
みんながそういうものを存分に発揮でき、それをメンバーに受け取ってもらえ、(成否は置いておき)前進したことへの承認が飛び交う。
ある時は明確に、力強く。
ある時はさりげなく。
そんな集団にいることができたら、きっと怖いものはないでしょう。
そして、そんな集団はどんどん「生み出す力」を持っている。
わたし自身は、そんな「燃える集団」にも、そうでない集団にも、どちらにも所属していたことがあります。
本当に思い出しても感謝なのですが。
彼女は、あのあと、そういうチームと巡り合ったんだろうか。
「コミュニケーションの喜びを全員があまねく享受している集団こそが、真の創造性を持つ、開花する集団である」
それが、研修をするにあたっての常なる、本当に偽らざる気持ちです。