西郷隆盛→「のちに鹿児島土産のフリー素材になる男」(楽しい人物紹介)

 

 

 

 

鹿児島は磯街道沿い。

島津の殿様の別邸、仙巌園で開催中の「だんドーン」原画展に行ってきました。
(写真は会場でアンケートに答えるともらえるオリジナルポストカードです)

 

よくよく考えてみれば、今につながる警察の土台を作った人。
すごいことだよなあ、
と思うのですけど、なのに鹿児島では語られることのたいそう少ない郷土の偉人。

そして、明確に、明らかに「嫌い」と公言する人もいる、という薩摩の偉人。
それが「川路利良」。

 

(一応書いておきますと、
「だんドーン」はその川路が主人公の漫画。作者は「ハコヅメ」の泰三子。

この方、鹿児島出身ではないかという噂がある)

 

 

さらに鹿児島以外の人のために書いておくと、

川路が鹿児島で「嫌われキャラ」なのは、

「西郷どんを殺そうとした男」

「故郷に弓引いた男」

ということになっているから、なのです。(西南戦争の際のあれこれでですね)

 

 

 

わたしが川路利良を意識したのは、
東京で歴史イベントに参加した際、そこで【川路の大ファン❣️】
という人に会ったからで、その人が書いた、

 

「サムライたちの警視庁」

 

という本がとても面白かったからなのです。
(明治初期、警察機構の黎明期にお巡りさんになった
サムライたちの経歴、お墓を網羅した珠玉の一冊)

 

 

その方が、
「鹿児島行った!皆与志から鹿児島中心部まで、
川路が毎日歩いていた道を自分も歩いてみた!」

と嬉しそうに言ったわけで。
(何キロあるか忘れたけれど、ゆうに10キロは超えている結構な距離。

 

歴史の好きな人って、それくらいサクッとやってしまうんですよね。
ちなみにわたしの夢も「旧暦の6月5日に、新選組と同じ重さの装備を背負って、
四条から三条池田屋まで走りたい」です)

 

 

さて。
鹿児島の幕末〜明治史というもの。
わたしにとって身近にありすぎて、
しかも結構感情が絡んでしまっており。

 

と言っても大した感情ではないんですが。

 

子どもの頃、父親や周りのおじさん連が西郷どんが好きすぎて、
色々と押し付けられすぎて、
なんだかもう「いい加減にしろ」な感じでして。

 

わたしにとって、西郷や大久保といった「有名どころ」は、
残念なことに、学校の副読本の暗い色の表紙に象徴される、
自分を縛り付けていた、ままならぬ、なんとも言えない
「鹿児島的なるもの」。
固定され、動かない閉塞感と言ったような感覚と
しっかりと結びついてしまっている。

 

 

話戻って。

そういう感じなので、何度本を読んでも、大河ドラマを見ても、
西郷どんが何をして、どういう人だったのか、
理解できないという…。
(知識としては知っているんですけどね、もちろん。
リアルな人間としての姿が立ち上がってこない)

 

で、この「だんドーン」。

…立ち上がってきております!

 

 

きっと、世の中には怒る人もたくさんいるんだろうなあ。
「西郷隆盛。後に鹿児島土産のフリー素材になる男」
ですもんね。(西郷どんの説明が)

 

けれど、
わたしにとってはなんだか(やっと)風が轟々と吹き抜けて、
厚い雲が取り払われるような感じを感じており。

 

 

そして、この風が、
長い間固まっていた鹿児島の「何か」にも変化をもたらすんじゃないか、
と密かに思ったりもしているところです。
(少なくとも、川路を知る人が増えるだろう、
そして、「川路いいよね!」という人も増えるかなと)

 

結構いいバランスなんじゃないか、と思ったりしているところなのです。

 

 

 

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