「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

あなたが幸せならあなたの一番大切な人たちも幸せなのだ-「父の長火鉢」

 

 

 

 

 

 

クライアントさんが家族のお話をするのを聞いていて、
ふと思い出したんですが、
父が、福岡だかであった長期研修から
帰ってきたときがあったのです。

 

で、
そのときの父の様子が、あきらかに違った。

一言で言うと「テンション、高!(笑)」。
あれあれ?こんなにしゃべる人だったっけ? 

 

研修先でいい仲間に出会い、その仲間たちと数週間。
(はっきりとは覚えていないんですが)
みんなで頑張ってきたんだな、
いいチームが出来たんだな、

 
 
というのが、今思えばよくわかる雰囲氣でした。
父は上機嫌で、焼酎を飲みながら、見たこともないいろんな人(仲間)
のことを語り、語り、語り…。

ああ、違う世界を見てきたんだな~、というのが
よくわかりました。

 

 
どんなに父が盛り上がっていたかというと、
それから数日たって家に届いた巨大な箱状の荷物。

研修が終わってから、街で仲間たちと遊び、
そして大好きな骨董品やさん巡りもしたらしく、
大きな四角い火鉢まで買ってきてしまっていたのです。

(木製の。時代劇でよく見る長いやつ。親分が座っていそうな)

 

他にも、細々と、矢立てなども買ってきていたような。
母、そこに関しては無言。
(私は嬉しかったですが)

 

わたしが小学生の頃の話です。
細かいところは本当にもう覚えていないのですが
でも、とても鮮明に覚えていることがあります。

 

それは「感覚」。

この出来事は、わたしにとって、とても幸せで、
楽しくてたまらないという満ち足りた「感覚」で満ちている。

 

父の表情。
何を言ったかはもはや、全く覚えていませんが、
得意げに語るその調子。

 

数歳若返ったような。
まるで若者のような父の高揚した「存在感」。
きっと、その研修は、父にとって
存分に自分の力を自分らしく発揮できた場であったのでしょう。

それは、わたしたち家族にとっても、
ほんとうにほんとうに幸せな時間であり空間であり、空氣でした。

 

仕事や人生、普通に悩んだ時期もある父で、

その時期も子どもながらにしっかりと見、
そのときの薄いブルーに沈んだ湖の底のような
家の空氣も味わって育ちました。

 

それだけに。

父が笑っているということ。
本来の父であること。
(本来の父は、頭がよく、学ぶことが好きで、
社交性にも企画力にも創造力にも富んだ、
なかなかの『出来る男』でした。多分…)

 
その質そのままでそこにいる父の存在を感じることが、
ほんとうに嬉しくて、楽しくて幸せでした。

 

ちなみに、うちは6人家族。
そして、多分この頃は弟が生まれたばかりで、乳飲み子状態でした。
いや、母はもしかしてお腹が大きかったかな。臨月?
父よ、よく行った。

 

ここまで書いて。
あの時の父は、とくにわたしにとっても誇りなのだな、
と今、思い至りました。

 
 

そして
今日のタイトルへと行きつきます。

「あなたが幸せなら、あなたの一番大切な人たちも幸せ」。

 

 
どうぞ、
自分を生きることに。
自分を存分に表現することに、躊躇しないでください。
遠慮しないでください。
氣は使わないでください。

 

何よりあなたが幸せなら。
笑っていたなら。

あなたがあなたの人生を存分に生きていれば、
その、拡大したあなたから醸し出される
生き生きとした豊かな波長を全身で浴びて
あなたの大切な人たちも幸せです。

 

 

そして、それこそは
大切な人たちの身体に染み入り、記憶に刻まれ…
あなたがいなくなっても、
大切な人の一生を鼓舞し続ける。

あなたが大切な人たちへ手渡せる
何よりの、そして消えることのない財産なのです。

 

 

 

 

 

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