「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「それをすると自分で決めたのではない。体に埋め込まれているのだ」

みなさま。

新年あけましておめでとうございます。

新しい年をどのようにお迎えでしょうか。

こちら鹿児島は

暖かい陽気の中、おだやかにはじまった新年でした。

みなさまの今年1年のご多幸を祈りつつ

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

さて

年始は何とも珍しいことに、同窓会2連続でした。

それぞれ、昔勤めていた中学校のものです。

西と北、懐かしい土地に出かけて行きました。

2日間で

話ができなかった生徒さんも含めて

(もう生徒ではないんですが。みな立派な大人で)

100名を超える人たちに会ったのですが

なんというか…いっぺんにものすごくたくさんの「人生」に出会ってしまった感じです。

仕事という側面一つとってみても

もう、それはそれはたくさんの「職業」の話が目の前に繰り広げられるわけで

一人一人、話を聞いているだけでも面白くって面白くってしかたがない。

完全に時間が足りない。

そんな中で感じるのは

一言でいうと

やっぱりみんな「変わっていない」ということです。

「けっこう頑固だったもんね」

「そこ、譲れないところだったよね」

「そういうの、本当に好きだったよね(授業中もこっそりやってたもんね)」

「ここぞってとこではこだわりがあったよね」

などなど

それぞれのそんなところが

みんなしっかりと、残っている。

今、何をしている…という彼ら、彼女らの話からは

「職業」や「家庭」の話を通して

まったく変わらないその本質がビシビシと伝わってくる。

もう、嬉しくなるくらいに。

中には思う道とは今現在、違う選択をしている、という子もいるわけですが

それでも

一人ひとり、その変わらない「本質」を

仕事やプライベート…ひっくるめて「人生の質」を自分らしく磨き、高めることに

ちゃんと使っている、そういう気がしました。

それがあるゆえに

生きることにこだわり、つまづき、悩む、という部分も含めて。

「人は、そうでしか生きられないんだな~」

とやけにすっきりと、晴れ晴れと

あらためてそう思いました。

彼らは自分で人生を選択している、と思っているかもしれませんが。

そして、職業や、住む場所や、結婚や…という、そういった面では

確かに自分で選び、決めているわけですが。

でも

人はもっと深い、奥のところで

体に組み込まれた「何か」に従って生きているのだと。

そんな気がしました。

ほおっておいても。

たとえ何度うちくだかれることがあっても。

夜が明け、また日が昇れば、自分の中に自然と湧き上がってくる

あるもの(ある状態)への渇望。

自分の中に途絶えることのないひとつの旋律。

人は、それに従って生きている。

そうするように、人はできている。

仕事が何であるとか、そういうことに関係なく

もっと深く、細胞の奥深くに埋め込まれたものにしたがって。

さまざまに悩めることあるらしく

目の前で語る一人の子を見ながら思ったのでした。

…はやいとこ認めてしまえばいいのに。

だいたい君、中学ん時からそうなんだから。

ほおっておいてもそうやってしまうのだから。

今さら変わらないのだから。

いえ、変えてはいけないのだから。

それこそが「君」なのだから。

「それ、強みだよね」

そう一言告げると

「いえいえ、でも…」

と即否定され、寂しいことしきり。

こういう場面に遭遇すると

「ああ、やっぱり中学の時、そういう授業をやっておけばよかったな」

と思います。

教科の知識と同じくらいに

いえ、それより多分もっと大切なこと。

周囲と、そして何より自分自身と「良好なコミュニケーション」を結ぶすべを、

その視点をもっと与えることはできなかったものかと。

生きる上での何よりの力となるものなのに。

一人の教員の力など、小さな力でしょうが…

でも、やらないよりはずっとよいと思うのです。

教員をやめて4年目に、コーチングというものに出会いました。

そのとき、体の中にあふれた、ある思いがあります。

「学校にいたときに

自分の力不足、知識不足からできなかったことを

これを使ってやるのだ。

あのときやれなかったこと、伝えられなかったことの続きをやるんだ」

生徒たちが大きくなって、社会に出てくる。

そのときに、またこれを持って出会いなおせばいい。

大人になった彼らにまた授業をすればいいんだ。

と、そう思ったのでした。

そしてそれは確かに実現しています。

彼らが大人になった年齢の若者たちと日々ふれあい、

あの時伝えたかったことを伝えている今があるのですが。

正月。

十数年ぶりの100名との再会の時を経て

今、かつての生徒さんたちとの新しいつながり」が静かに広がりはじめています。

この仕事を初めて11年目にはいる今年。

もしかしたら、今年は本当に

リアルに彼らに「授業」をすることになるのかな?

と、ふとそんなことを思った一月八日の午後でした。

何だか

タイトルからずれてしまいましたが。

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