「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「任せる・ゆだねる・明け渡す」

最近
仕事について話したことをプロのライターさんにまとめていただくという機会があり。

海沿いのカフェ。
心地よい雰囲気の中、お昼過ぎに始まったインタビューは
目の前の桜島が茜色に染まるころに終了。

 
  
 

思うまま、自由に語らせていただいた
なんとも気持ちの良い約3時間の長広舌だったのですが
その後、
見事ぴたっ…
と、わずか一日で話した内容をまとめてくださったのには、本当に脱帽でした。
しかも、その内容は、わずかな字数で
驚くほどわたしの伝えたい部分の核心を
捉えてくださっており。
正直なところ、あまりの「そこです!」な感じに
こんなにもわかってもらえた…と、少し泣きそうになったくらいに
嬉しかったのでした。

限られた字数の中で、
あの膨大な話の中からこの文章をまとめあげるという力は
一言でいうと「センス」だろうな、と思うのです。
文章を書くということに関する知識や技術だけではないところの「センス」。

例えば
多分、ライターさんは、五感を総動員して
あの場にいてくださったのだろうな、と思うのです。
言葉とともに
言葉だけではないものを聞いてくださっていたのだろうな、と。
わたしの呼吸、声にだんだんこもってくる熱、表情・・・
そういったものすべてを「見て」「聞いて」「感じて」くださっていたのだろうな、と。

あの場に共にいて
あの「空気」を共有したものでなければ書くことができない内容の凝縮であり
文章であるな、と感じたのでした。
そのことを、再度強く確認したのは、ライターさんの下記の言葉。

「たとえ、文章として理路整然としていなくても
私がその場へ行き、その方にお会いしたからこそ、聞いたからこそ
書ける言葉を書きたいのです」

数回にわたる原稿のやり取りの中で
その方からいただいたメールの中の言葉です。
(実際はもう少し違う表現だったのですが、その方とのやりとりの中での大切な
言葉なので少しニュアンスを変えて書きました)

原稿をやり取りするうちに
だんだんと熱が入ってしまい

「ここはこういう文言のほうがより意味が伝わるのでは?」

と、ついこだわりすぎるわたしに
この言葉をくださいました。

ああ。
そうだった。

「伝える」ことが仕事ゆえに
自分の言葉で、自分の世界をいかに正確に表現するかに
つい肩の力がはいってしまったのですが。

ライターさんがいる意味。
その方の感性で見て、聞いて、感じてくださっていることの意味。
その方の「フィルター」を通して自分の世界が
言葉となり、発信されることの意味。

「その世界」にどっぷりと浸っている者には
もはや持ちようもない
新鮮な疑問や驚き。
わたしにはない視点からわたしの世界に触れてくださり
「お客様」とわたしの世界、を
繋ぐ役割を果たしてくださってる
何より貴重な「架け橋」としての言葉ではないか。

そんなことをはた、と再確認したのでした。

「私の言葉では
今まで通り、これまで伝わってきた人にしか伝わらないじゃないか」

日々、そして万事
つい
がんばってしまう。
自分の力のみを恃みに
走ってしまう、そんなときもあるのですが

「任せる。ゆだねる。明け渡す」

それが出来ると、
人生のいろいろな場面でもっと楽に、風通し良くなるな。
そして、
自分の人生に、自分の視野だけでは得られない様々な可能性が
開けてくるな。

そんなことを、
改めてしっかりと感じた、
大切な時間となりました。

大きな気づきをくださったライターさんに
心から感謝しています。

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