「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「ななつ星、その後」

 

先月
JR九州の、デビューしたての豪華クルーズ列車
「ななつ星」を踏切で見かけ
追っかけて駅まで行ってしまった。

という話を書きました。
その時は「ななつ星」は、もはや車庫でお休み、ということで、会えなかったのですが。

その後を書いていませんでしたが
翌日、ちゃんとななつ星に会いに行きました。
午後3時。
私の他にも、結構たくさんの人。
みな、ななつ星を待っているようです。
でも、「鉄道オタク」という感じではない。
みな、美しいものが見たいのだろうなあ、と思ったり。

時刻を少し遅れて
ななつ星はやってきました。
「プァン・・・」
と、汽笛?(じゃないですよね。何ですか、アレ)を鳴らして
遠くから、ゆるいカーブを描きながら近づいてくるキラキラと光る車体。
その姿は
鉄道ファンでなくとも「おおっ!」と声が出てしまいます。

さて
これが前面から見たところ。
深いワインレッドが重厚。

 

これが最後尾。
大きなガラスの空間一面が客室になっているのですよね。

 

え~。
室内です。
これは、食堂の部分ですね。

 
 

 
客室も撮らせてもらったのですが
個々人のお客様が宿泊中のお部屋だったので
アップは控えます。

カーテンは竹の御簾。
パテーションの役割をはたすすりガラスの文様や
壁の組子細工と、和の美しさも満載。
職人さんたちの技が贅沢に、あますところなくちりばめられた室内。
きっと、「ななつ星」に携わった方々は、みな楽しかったろうな、嬉しかったろうな、燃えたろうなと
そんなことを思います。

それは
乗務員さんの表情からも言えることで。
みな、「美しい表情」でした。
緊張感、大きな責任、そして内側から溢れる静かな「誇らしさ」。
そのたたずまいと表情からはそんなものを存分に感じることができました。
「ああ、みな、今、本当に幸せそうだ。みな『生きて』いらっしゃる」
何だかそんなふうに思い。

最上の「価値」を新しく生み出す場に携わる。
自分の持てる技、力のすべての最高をいかんなく出し切れる場所で。

式年遷宮の時も思いましたが
そのような場があるということは、一個の人間の生命力の「活性化」「目覚め」「開花」
という意味でもとても大切ですし
人間の歴史、伝統、文化、精神という全体から見た
「大きくつながるもの」としての「活性化」としてもとても大切なことだと
感じます。
人間という大きな一つの生命体としての活性化、とでもいうんでしょうか。

人は、このような作業を通して
ずっと「よきもの」「美しきもの」「最高のもの」を伝えてきたんだろうな、と
目の前のこっくりとしたワインレッドの美しさに触れながら
少し、しみじみと感動。

 

 とても素敵な制服だったので
お断りして撮らせていただきました。
ななつ星のエンブレムが胸に眩しい・・・。

一言で言いますと
「創意工夫でもって
新しい価値を果敢に、優雅に生み出す人を応援せずにはいられない」

という話なのでした。

 

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