「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「また、虹が出た」

気づくと結構長いこと
更新していませんでした。
よく、訪れてくださる方、申し訳ございませんでした。
いろいろ考えること多く、動くこと多く…まあ、忙しい日々でした。

昨日は
年に一度の恒例行事になりつつある「写真撮影」でした。
山間部には雪の降った昨日。
寒風の中
桜島をバックに颯爽と、機材一式を抱えて現れたカメラマンさん。
もう5年も、ずっと撮っていただいている方です。
彼女は今、遠方に拠点を変えていらっしゃり
たまたま帰鹿していた数日に、私の撮影のタイミングが重なったという
幸運の一日となりました。

青空と灰色の雲が桜島の上で目まぐるしく入れ替わり
小雨と陽射しが交互に降り注ぐ不安定な空の下。
多分、撮影するには楽な環境ではないのでしょうが
レフ板片手にちゃくちゃくと撮り進めていく彼女。
その細身の体に赤いダッフルコートがまぶしく。
わたしはいつも、その姿を見ていて「美しいな」と思います。
初めて撮影してもらったのは5年ほど前なので
その頃彼女は25~6歳。
若い…。

写真を撮られるという時間は
とても特別な時間な気がします。
自分を思いっきり客観視する時間でありつつも
なぜか
大きな自己承認の場であり
自分でない自分になる心地よい場であり。
自分も知らない自分を(より良い自分を)引き出される、ということなのですが。
この「場」をつくるという作業こそが
ひとえにカメラマンさんの技量であったりするのだろうな、と思います。
年に1~2度、ファインダーごしのお付き合いでありながら
不思議な、深い、特別なコミュニケーションの時間を過ごしている気がします。

昨日も
そんな感嘆と、尊敬の気持ちをもって、彼女を眺めていました。
自分より、一回り以上も年の若いこの女性が作り出す特別な「空気」。
すごいな、と思うと同時に
その姿を見ていると、
たとえようもなく嬉しくもあり。
この感覚は何なんでしょう…若い人たちが、ほんとうに
「自分自身」としてまっすぐに、美しく輝いているときに
いつもいつも、こんなあふれるような気持ちになります。

と、
そのとき、虹が出ました。
桜島の左上方に、くっきりとした大きな虹。
あ、また出た!と思いました。
また、といいますのは…
誰かに対して、その美しさに細胞がふるふると震えるように
感動を覚えたその時に、なぜか?虹を見ることが多いのです。
そして
その時間は、自分にとって忘れられない宝石のような特別な時間になり
なおかつ、自分の人生を変えるような時間になります。

雲の合間に降る一瞬の日差し。
虹。
きっと、今、彼女とこうしている事も含め、すべての出会いは
奇跡のような時間なんだろうな、とふとそんなことを感じ。
感謝の思いとともに、
願わくば
わたしだけでなく、彼女の人生にとっても、この時間が、
この場がよき場となりますように、と願いました。
これからますます大きな変化を迎え、発展してゆく彼女の長い人生に
ますますの幸せがありますように。
そんな思いを込めて最後はレンズをじいっと見ていました。

レンズを見ながら自然に微笑む、というのは
わたしにとってはなかなかに難しかったりするのですが
「目の前の人に気持ちを送る」のならば自然とできるなあ、と思いながら。

そんな思いを込めた写真。
どんなものが仕上がってくるのか
楽しみです。

 

最後に2人で記念撮影。
彼女は今後、ますます遠方に拠点を移すようなので
次はいつ撮ってもらえるか…
少しさびしい気分を感じつつ
新しい出発を心から応援しているところです!

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