「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「パンツァー・フォー!(戦車よ、前へ!)」

 

子どものころから
「チームのお話」が好きでした。
古くは十五少年漂流記ですとか^^。
最近面白かったのはこれ。
 

「ガールズ&パンツァー」

(アニメ公式サイトはこちら)

 

「パンツァー」は「戦車」。

「華道」「茶道」「書道」「香道」などなど…と並んで「戦車道」なるものが

女性の嗜みとして、「伝統武道」になっている…という世界のお話です。

学校では「戦車道」の授業があり、「戦車道全国大会」なんてものまである。

 

主人公は

伝統と格式の「戦車道」家元の娘、みほ。

内気で引っ込み思案な性格の彼女。

戦車と、戦車乗りの家から離れ
「普通の女子高生」になりたくて

戦車道の授業のない「茨城県立大洗女子学園」にわざわざ転校してきます。

が!

学園存続の危機に瀕した大洗女子学園。

起死回生を狙って

「戦車道」の復活と、全国大会制覇を決めてしまうのです。
(余談ですけど、大洗の街がリアルに出てきて、それを見るのも楽しいのです)

 

さて

発足したばかりの超弱小「戦車道」チーム。

そして、家元の娘ということで、チームを率いる「隊長」にさせられてしまうみほ。

みほの運命はいかに!?

大洗女子学園戦車道チームは勝ち上がっていけるのか!?

 

 

 

登場人物中、もっとも「普通」で、どこにでもいそうな
「悩めるキャラ」が主人公なのは

やはり、見ている若い人たちが感情移入しやすいからなんでしょうか。

 

自分が見つからない。

自分に自信が持てない。

そんな彼女が「自分の戦車道(笑)」を見つけていくまでの成長物語が

この話の一つの軸になっているのですが

もうひとつ、この物語でとても「魅力的」なのは

主人公以外のキャラクターの
これでもかというくらいの徹底した「我が道を行く」姿。

周りを固める仲間たちは面白いくらいに「自分の世界」を持っている。
持ちすぎている。

 

 

戦車オタクに華道の家元の子。
歴女。
バレー部復活に命を懸ける元バレー部員。
規則第一の風紀委員…

自分の愛する世界を、自分の価値観を
生きる指針を寸分も疑うことなく

そして

誰はばかることなく存分にその世界を楽しみ
享受しているメンバーばかりなのです。

(主人公はぶれぶれなのに^^

そして、一人一人がその個性をいかんなく発揮して

「戦車」という大きな鉄の塊を皆で動かす。

その「生き生き感」はもはや「爽快」ですらあり。

これもまた

このアニメを見る世代の一つの「憧れ」なのかなあ…と思ったりします。

 

「何をしていいかわからない」

「自分が何を好きかわからない」

 

セミナーで出会うそんな若い人たちを現実の世界で見、その声を聞くにつけ

アニメの中の彼女たちの姿に何かを託しているようにも見えるのです。

 

 

 

さて

みほちゃん。

仲間の助けや励ましを受けながらチームを指揮し

なんとか大会を勝ち上がっていきます。

そしてついに、自分が逃げ出してきたところの「戦車道」そのものと対決します。

(姉の率いる強豪校と決勝で対戦するのですね)

この決勝戦が、いや~、もう迫力で。

 

 

「おねえちゃん。わたし、自分の『戦車道』、見つけたよ!」

 

これが、みほちゃんの最後のセリフ。

勝敗は・・・気になる方はどうぞ、ご覧になってみてくださいね。

 

 

 

 

 

「パンツァーは人生!人生はパンツァー!」

 

 

みほが車長をつとめる「あんこうチーム」、Ⅳ号戦車D型の装填手
戦車オタクの優花里がそう歌います。

大洗女子学園が戦車道を復活させたことで
人生初めての「人間の友達」が出来た優花里ちゃん。
(それまでは「友達」=戦車でした)
彼女の「戦車解説」もこのアニメの見どころの一つなんですが。
もう、それは語る語る…^^。

作品中での彼女の魅力はわたしにとってはまた格別で
まさに
「はじめて自分が自分として『生かされる』場所を手に入れた」少女の
輝きが満載!に感じられます。
戦車に触れて、そのエンジンの音を聞いて、油の香りをかいで…
そんな毎日が
幸せで幸せで仕方がない、とういう彼女の表情を見ていると
何だかこちらまで幸せになってくる。

「パンツァー(戦車)は人生!」

そう堂々と、高らかに歌い上げる彼女の

あまりにまっすぐな、リンと張った混じりけのないその響きの声を聞いていると
(アニメのキャラだってのに)

なぜだか少し胸がきゅっとして

鼻の奥がつんとするような気分になるような。

ああ、こんなに純粋に生きられるって
「好きなもの」を「好き」と言って
全身で味わって、喜んで生きるっていいなあ、と思うのです。

おしゃべり最高!
ショッピング最高!
スイーツ最高!
そして…
何より友達と一緒に乗る戦車最高!

な彼女たちの熱い成長物語。
その合言葉は
「パンツァー・フォー!(戦車よ、前へ!)」

ずっと前に、私も仲間たちと確かに味わったことがある。確かにある。
体の奥のほうにある
そんな、とても懐かしい感覚を呼び起こされるような。
わたしにとってそんなアニメ
「ガールズ&パンツァー」でした。

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