「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「図書館タイムスリップ」

さっき

ちょっと用があって「地域の公民館の図書館」に立ち寄りました。

しのつく雨。

静かです。

奥のほうの、2つしかない机で近所の中学生が
中村公子のコーチングna日々♪ プリントを広げてお勉強をしています。

貸し出しカウンターには

白髪の男性の係がお一人。

本当に小さな図書館なんですが

「なんか、はまる」

この感じは、なに…?

市立の大きな図書館などとくらべると

蔵書数も広さも

まったくもって及ばないのですが

(広さは教室2つ分くらいのものですし)

大好きな紀伊○屋書店やジュ○ク堂やオプシア○スミや…

鹿児島で一番大きな市立図書館なんかよりずっと

本の一冊一冊が輝いて見える!

全ての本がとても面白そうで

とても意味のあるものに見えて

まるでわたしに「こっちにおいで」と手をふっているみたいです。

壁には文学全集。

その上には生物の分類全集。どちらも背表紙がやや退色して

いいかんじの色合い。

きっと、あんまり誰も手をふれないんだろうな…という感じがします。

この感じ…この感じ。

少し古びた紙のにおい。

本の背表紙を目で追う、この吸い込まれるような感覚。

全部の本を手にとって、一冊一冊中身を確かめてみたくなるこの誘惑。

うまく言葉にできないんですが

「ここにずっといられたら、どんなに幸せだろう」

そんな感じでしょうか。

図書館を出て

車に乗って、エンジンをかけたとたん

その感覚はぷつん…と消えてしまって

現実に引き戻されたような感じを覚えました。

あの感覚は

きっと、中学・高校のころのものですね。

わたしが人生で一番本を読んでいたのが多分このころで

多いときで年間300冊くらい読んでいました。

ほとんどが学校の図書室の本。

(どうして覚えているかというと、当時は「図書カード」なるものがあって

それに読んだ本を記録して借りていたから。懐かしいですよね)

今思えば

その頃のわたしにとって図書室は宝の箱。

もしくは異次元空間への通路。

もしくは時間を越えてどこかとつながれる扉

もしくはもしくは…

とにかく、大切なものだったんでしょう。

町に一軒の本屋さんもない小さな町で

ほの暗い図書室の一隅

毎日毎日

今とは比べ物にならないくらいの澄んだ目で

恐ろしいほどの集中力で

わたしは背表紙の一つ一つを見つめていたんでしょう。

そういえば

本当に手に入れたい本も

車で30分くらい行った下の街の書店に注文して

街に行く父に頼んでついでに寄ってもらっていました。

(こう書くと、ほんとにどんだけ田舎なんだ、というかんじがしますが)

恋焦がれて待つ時間の長いこと長いこと。

今は

アマゾンもあるし、大きな書店もそこいらにたくさんあります。

幸せです♪

たくさんの情報に囲まれて、何だって手に入れることが出来る。

幸せなんですけれど。

もうあの頃のような気持ちには一生戻れないんだろうなあと思うと

それも少し、寂しかったりするのでした。

アーカイブ
Copyright © Communication Works All Rights Reserved.