「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「あの時のマントはどこ?」

最近研修の中で

「あなたの好きなヒーロー・ヒロインは?」

というテーマで語ってもらうことをよくします。
このテーマ、さまざまな効用があります。

なんといっても「楽しい」。
みなさん、心に秘めたヒーロー・ヒロインはさまざまなんですが
語り始めるといっきに、会場の温度が1~2度上がるような気がします。

昔好きだったアイドルや
マンガの主人公や
映画の中の登場人物だったり
身近な人だったりと
本当にさまざまなんですが。
そのこだわりが面白かったりします。

さらに
皆さんが語るその姿に、これまでとは違う表情が明らかに混じり始めたりする。
そうですね・・・背広にネクタイのかっきりとした姿、リーダーとしての表情の向こうに
ふっと、透けて見えるのです。

はるか昔、夏の一日、そのアイドルのコンサートに声を枯らしたであろう若者の顔。
そのヒーローのテーマ曲を頭に思い描きながら
人生の難関をぐっ…と踏ん張ったなつかしい時を思い出していらっしゃるような
何とも言えない懐かしげなお顔。
そんな顔に、一瞬皆様が戻っているのを見るのは、なんとも心が熱くなるものです。

そしてさらに
そのヒーロー、ヒロインに惹かれる理由を通して
その方が生きていくうえで大切にしていることも垣間見えます。

その方は、物静かな感じの方でした。
選んだヒーローはマイケルジャクソン。
マイケルの生き方のどこに惹かれるのか、言葉を尽くして語ってくださるその姿に
「わたしも、そう生きたい」とおっしゃっているような
願いを感じたことでした。

みな、心の中に、大切なヒーロー、ヒロインがいる。
はるか昔に忘れてしまっているけれど
確かに私たちの無意識の奥底にあって、わたしたちの「何か」を形作っているようにも思うのです。

そんなことを考えていたら
心に響くCMを今日、見ました。

あるとき、自分はヒーローにはなれないと気づいて
それはおとぎ話だ夢物語なんだと
遠いところに置いてきてしまったけれど
いつしかあきらめてしまったけれど
本当に、そうなんだろうか。

「あの時のマントはどこ?
もう一度着る時がやってきた」

心の奥が
どくん

としました。

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