「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「一杯のお茶」

 

 

ちょうど一週間前ですね。

 

人材育成センターさんでコーチングの研修。

それぞれの会社からいらしてくださった

22名のリーダーさんたちと一日あれやこれやと楽しい時間を過ごしていたのです。

これはそのときのこと。

 

午前中を終え

控室に戻り、席にどっかと座って一息。

するとそこへ、スタッフのおひとりがお茶を持ってきてくださいました。

何と言いますか…一杯のお茶を、とても丁寧に運んできてくださって

すっと私の前に出してくださいました。

思わず姿勢を正してお礼をお伝えしました。

 

湯呑のふたを取ると

何とも言えない良い香りと、透明の深緑が目に飛び込んできて、もう見るからにおいしそうなのです。

思わず深呼吸。

そして一口。

 

「ああ…おいしい」

 

体中に染み渡るような味、とはああいう味をいうのでしょうか。

肩の力がすっとぬけて、自分の中のスイッチが切り替わったのを感じました。

 

夕方

研修を終え、センター長様にごあいさつに伺った席で

再び同じ方がお茶を持ってきてくださいました。

もう、手放しで喜ぶ私。

気持ちよく疲れた体に、また一杯のお茶が染み渡っていくのを感じつつ。

 

あのおいしいお茶は、どうやっていれるんでしょうね…。

(と、ついわたしはその方に聞いてしまったのですが)

 

その方の

ゆっくりと、お茶を運んでくださるまっすぐな背筋

両の手をそえて、音をたてぬよう出してくださるあの指先

そんな姿とともに、あのお茶の味を思い出します。

 

なんといいますか

自分も、こういう仕事をしたい、と思いました。

「セミナー」とかそういう仕事という意味でなく。

 

誰かとかかわるその一瞬一瞬に、丁寧に集中して、心をこめられるようなありかたでありたい、

そんな感じでしょうか。

 

 

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