「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「象の目方をどうやって量るか」

昨日は鹿児島の薩摩川内市にあります

「ポリテクカレッジ川内」さまに

打ち合わせのために伺っていました。

ここは、19歳~20歳の若い方々が

「基礎的な科学知識とコンピュータを中心とした高度な専門技術に対する理解力と

適応性を併せ持つ、テクニシャン・エンジニア(実践技術者)」

となるべく日々研鑽を積んでいらっしゃる学校です。

さて

おおよそこれまでのわたし自身の人生とは無縁こういった世界。

とても面白く、興味深い事柄でいっぱいでした。

まず、見学したのは英語の授業。

英語の授業をみせていただけると聞いたときから

なんとなく、普通に自分達がこれまで学んできたような英語の授業を想像していたのです。

「基礎英語」みたいな、なんといいますか、普通に文法や会話を学ぶといった感じの。

教室におじゃますると

ちょうど、数人の学生さんが前に立ち、スクリーンに写った映像の説明をしているところでした。

何をしているところかを。

それは、数枚の絵からなっているストーリー。

一枚目は

「象が数人の人につれられて、はかりに乗ろうとしているところ」

続いて

「象が、運河(川?)に浮かんでいるボートに乗せられようとしているところ」

三枚目は

「象がボートに完全に乗り、ボートの側面に水面の高さの印をつけてるところ」

おおっ、懐かしい!

この話のオチはわたしでもわかるぞ、と思いました。

なぜなら子どものころ、これと同じネタ(はかりに乗らないくらい重いものの目方をどうやって量るか)を

「一休さん(アニメ)」でやっていたのを思い出したからです。

絵は、さらに4枚目、5枚目へと続きます。

象をのせて沈んだしるしのところまで、ボートに石を乗せている絵。

そして、その石を小分けにしてはかりではかっている絵。

さて

「オチを知っているぞ!」と喜んだわたしでしたが

その授業のテーマはそんなことではありませんでした。

その「象をはかる方法(そのプロセス)」を

英語で説明する、というものでした。

す、すごい。

教壇の先生が、どんどんポイントを解説してゆかれます。

そう、普通の英語ではなく、技術者として使う英語の表現を学ぶためものだったのです。

聞きますと、彼らがこれから進んでいく世界は

英語で書かれた解説書(でしたっけ?説明書でしたっけ)を

読む必要のあることもとても多いのだそうです。

学生さんは、電子辞書片手に黙々とメモ…。

(これがテストの課題になっているらしくみなさん本当に集中していらっしゃいました)

詩でもなく、文学でもなく

ここで教材となるのはこういう題材なんだなあと

とても新鮮に感じたことでした。

さて

もうひとつ

ついでに「ロボット」を見せていただいたのです^^

わたしはロボコンが案外すきで

テレビあるときは結構見ているのですが

あの、ロボコンに出てくるようなロボットを、間近で見たのは初めて。

しかも、手に触れて、操作するところもすぐ横で見られるなんて…。

平らにおいてあるCD状の円盤をキャッチし

場所を移動して、後ろにある溝のようなところに縦にたてる、という作業をこのロボットが行います。

ううぃ~~ん、ガシッャン、と音を立てて、

ロボットが直線を描いてすばやく移動し、CDをゲット。

「がっこん」と向きを変えて

そのまま目的地までまた「ううぃ~~ん、ガシッャン」。

アームをまっすぐにたてて「王手!」とばかりの勢いでCDをみぞに立てます。

その動きをじっと見ていると

だんだんロボットが「得意げ」に動いているようなきがするので不思議です。

このロボットをつくるためには

「機械のしくみを考える力」(からくり部分)

「そのしくみを動かすプログラムを作る力」

が必要なのですね。

もちろんそれを形にする手の技術も必要です。

それに、想像力。その他もろもろ。

そのロボットの持ち主の、2人の学生さんにお目にかかったのですが

この頭の中に、そのすべてがあるんだなあ、と思ったら

つくづくすごいなあ・・・と。

なんにせよ、何かに集中し、自分の力で一から形にするという場を体験し

その感じを味わっている若い人の目や雰囲気はステキです。

独特の高揚感や、じれったさや、自分の中から何かがワーッと湧いてくるようなあの感じを

味わったことがあるというのは、一生の宝だと思うからです。

ここは

そういう世界を味わっている若き人たちの場です。

もうすぐはじまる、彼らとの数ヶ月が楽しみです。

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