「深知今日事ーふかくこんにちのことをしるー」

「借りぐらしのアリエッティ」

を見ました。

ジブリのアニメを劇場で見るのは久しぶりです。

確か「もののけ姫」以来。

(あれ…千と千尋以来、かな?)

前日にNHKで「ジブリ 創作のヒミツ」という番組をやっていたもので

その番組で、抜擢された新人監督さんの健闘を見て

見たいな、と思いまして。

見終わって…

自分の身の回りの小さな物の一つひとつが

やけに大切に、いとおしく感じる自分を発見しています。

小人のアリエッティ一家は

人間の家の床下に住んでいるのですが

人間の生活から、自分達の生活に必要な分だけ「借りてきた」物を

いろいろに加工し、アレンジして使っています。

ヘアピンや

ボタンやクリップや…

わたしが、何となくそこにおいているもの

多分、なくなってもわからないような、ゾンザイに扱っているようなものが

アリエッティの家ではすべて

「自分達の生活を成り立たせる大切な道具」として

それはそれは創意工夫して上手い具合に使われています。

小人にとっては、一つ一つがとても大切なものなのです。

鉛筆のキャップは花瓶に

切手は壁を飾る絵に

暗い道を歩くのに使うライトは豆電球

他にもたくさん!

(それを画面から見つけるのが楽しい。あ、あんなところにあんなものが~)

その、アリエッティ一家の様子を見ていると・・・

どうも、とても「懐かしい」感じがするのですね。

「借りてきた」物に手を加え、工夫して大切に使っている様子が

そうですね…

たとえていえば

稲をを刈ったあと

最後の藁くず一本に至るまで、草履を作ったりして生かしきっていた

かつての日本人の生活を思い出す、というかんじの懐かしさ、でしょうか。

アリエッティ達の生活は

ほとんどの時間が「生活する」ために「直接何かを生産する時間」に費やされています。

とてもたくましくて、みんなで「生きている」感じがします。

(アリエッティが好きになる人間の少年「翔」が

病気で生気がなく、家族との縁も薄い少年であるのと対照的です)

さて

見終わってからふと思いました。

わたし達人間も、そもそも「借りぐらし」なんでは?

アリエッティたちは人間から、必要なものを少しづつ「借りて」きて

それで生活している

同じように、わたしたちは地球から、生きるのに必要なものを

そもそも「借りて」いるだけのではないかしら?

ずいぶん、我が物顔に勝手に使っているようだけど

「借りて」いること自体を忘れてしまうくらい、意識できないくらい便利になって

元が見えなくなっているけれど

しかも

「借りて」いるものを

アリエッティの一家のように

生かしきって、使い切っているかというと、それは別物だけど

と、そんなことを…。

映画を見終わってから友人と、友人の中一の息子さんと3人

そんなことを含めて、いろいろと話したことでした

「借りぐらしのアリエッティ」

静かに心に残るものがたくさんあった映画でした。

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